IC乗車券「ICい~カード」は地域で高い普及率を達成(伊予鉄グループ)

2020年3月31日8:00

オートチャージ対応「い~カードゴールド」の拡充を図る

愛媛県松山市を本拠とし、鉄道・バス・タクシーによる交通網で地元の人々の"足”を担う伊予鉄グループでは、2005年よりIC乗車券「ICい~カード」を発行。100%ICカード化されている鉄道・バスの定期券を含め、交通機関による移動の過半がICカードにより決済されている。人口約50万人の松山市において「ICい~カード」の発行枚数は49万枚と、ほぼ1人1枚の計算となり、稼働率も7割を超えている。同社は現在、子会社が発行するクレジットカード「ローズカードJCB」会員限定の、オートチャージ機能付き「い~カードゴールド」の拡大に力を入れている。テレビコマーシャルなどの効果が上がり、発行枚数は現在約3万枚に上っている。

市民の過半がIC乗車券を利用
市内の移動はキャッシュレスでOK

愛媛県松山市を本拠とし、鉄道・バス・タクシー網を整備して市民の“足”を担う伊予鉄グループでは、2005年よりIC乗車券「ICい~カード」の発行を開始した。

IC い~カード(無記名式)は誰でも利用できる

スタートから15年を経過した現在、電車とバスの定期券はすべてICカード化を実現。これを含めて鉄道で約8割、路面電車で約6割、バスで約5割の運賃支払いがICカードで決済されている。タクシーも含め、市内の交通機関の大半で、キャッシュレスで利用できる環境が整っている。

人口約50万人の松山市において、2019年12月現在、「ICい~カード」の発行枚数は49万枚超。稼働率は7割を超えている。

「ICい~カード」には記名式と無記名式のものがある。氏名・住所などの個人情報の提供が求められる記名式では、定期券の搭載および紛失時の再発行が可能だ。記名式・無記名式とも、デポジット500円を預かっており、交通機関の乗車に応じた利用額に応じて1%の「い~カードポイント」が付与される。

貯まったポイントは、500ポイントごとに「ICい~カード」に500円分チャージ、または、いよてつカードギフト券500円分に交換できる。

キャッシュレス化の施策として、同社では、電子マネーやモバイル決済にも早くから取り組んできたが、現行で縮小・終了したサービスもある。効果とコストとの見合いから決断した結果と、同社では説明している。

オートチャージ機能付きの「い~カードゴールド」会員拡大に注力

同社が今、力を入れているのが、「い~カードゴールド」会員の拡大だ。テレビコマーシャルをはじめ、駅構内及び空港など交通拠点に設置しているデジタルサイネージやホームページを活用して、大々的な告知を展開している。

「い~カードゴールド」は、オートチャージ機能付き(ローズカードとセットでのサービス)

「い~カードゴールド」は、同社のクレジットカード子会社が発行するクレジットカード「ローズカードJCB」保有者のみが申し込めるカードだ。

「ローズカードJCB」は、店頭で提示することにより、同社グループ内百貨店のいよてつ髙島屋での買い物が5%割引になる特典がある。現金支払いであっても同率の割引となり、食料品も対象である。さらに1年間の累計利用額が100万円(税別)以上になると、次年度より割引率が7%にアップする。

この「ローズカードJCB」会員に限り、「い~カードゴールド」申込資格を得ることができる。「い~カードゴールド」の発行・年会費は無料。通常の「ICい~カード」で付与される「い~カードポイント」が利用額の1%であるのに対し、「い~カードゴールド」では4%が付与される。通常は500円のデポジットも無料になる。

また、「い~カードゴールド」の大きなメリットは、オートチャージ機能が利用できることだ。申込時に、残額が1,000円未満になったときに2,000円チャージ、2,000円未満になったときに5,000円チャージ、3,000円未満になったときに1万円チャージの3つのコースから選ぶことができ、途中でコースを変更することも可能である。

「ローズカードJCB」は約15万枚が発行されているが、現在のところ「い~カードゴールド」会員は、そのうち5分の1の約3万人。「いよてつ髙島屋との連携を保ちつつ、相乗効果を上げながら、より一層の会員拡大を図っていきます」と、伊予鉄グループ 事業戦略部 企画戦略課 カード戦略係 係長 小島圭介氏は今後の展開に自信を見せる。

新しい決済手段の導入にも意欲的。特にスマホ決済を、必須の課題と認識。市場のニーズの変化を注視しながら、迅速に対応がとれる体制を整えていく。

カード決済&リテールサービスの強化書2020より

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