2020年6月26日21:00
Visaは、2020年6月23日、 Visaトークンサービス(VTS)によるトークン発行数が全世界で10億個を超え、 eコマースのイノベーション促進や決済の安全性強化に向けた独自サービスの提供において、大きなマイルストーンを達成したと発表した。Visaトークンサービスは、 カード保有者が持つ16桁のカード番号をセキュアなトークンに変換することで、 不正行為から本来のカード番号を保護するものだ。
加盟店や小売業者によるトークン技術の導入が進む中、VTSはクレデンシャル・オン・ファイル(COF)トークン化への取り組みの拡張、推進に努めているという。今日では、1万3,000店を超える 加盟店がVisa COFトークンを使用した取引を行っている。また、8,200を超えるイシュアが、150もの市場でVisaトークンサービスの提供を可能にしている。
Visaは、将来を見据え、データ保護におけるオペレーション上のリスクを最小に抑えるために新たに生み出された加盟店やモバイルキャリア向けソリューションの提供を開始し、 消費者による不要な手順や手間を削減するという。
Visaは、最近買収したRambus Paymentsトークンサービス事業をVisaソリューションである「Token ID」とするブランド再生計画を発表しようとしている。Token IDを利用することにより、トークン化によってVisaが提供できる有用性はVisaのネットワーク上でのカードベースの決済を超え、対象地域のカードネットワークやアカウントベース決済、リアルタイム決済へと拡張するとしている。Visaトークンサービスと連携させることにより、Token IDは、クライアントによる詐欺防止やトークン化技術を利用した決済ソリューションの安全性確保をサポートする一方、Visaによる、特定のローカライゼーション要件を持つ新たな市場でのトークン化サービスの拡張も後押しするとした。
また、CyberSourceによるトークン・マネジメント・サービスは、顧客の決済データ保護、決済コンバージョンの向上、PCIコンプライアンスのハードルを容易にするために、トークン管理を一本化、簡素化するそうだ。同サービスは、さまざまなサービスプロバイダーや決済タイプ、また加盟店、アクワイアラ、テクノロジープラットフォーム向けのチャネルにまたがるトークンをリンクする。そして単一化されたトークン識別子を生成することで、カードや銀行口座、対象地域の決済スキームといったあらゆる決済ツールの管理を一元化する。 CyberSourceが生成した単一化されたトークン識別子により、重要な顧客の決済データが保護され、決済チャネル、加盟店特典、ロイヤルティ・プログラムなどの違いにかかわらず、 顧客をあらゆる角度から管理することが可能になるとしている。
さらに、オンラインショッピングにおける消費者のデバイス利用が拡大する中、Visaは、トークンを単一のデバイスに絞らずより流用性を持たせた、クラウドベースの新たなシステムを実現した。「Visaクラウド・トークン・フレームワーク」では、消費者のアカウントに付与されたeコマースやカード・オン・ファイルのトークンを、信頼性が証明された複数のデバイスで流用できるようになる。「クラウド・トークン」は世界中で利用可能だが、まずはラテンアメリカ・カリブ海地域(LAC)で導入を開始。中でもブラジルの消費者は、世界中で初めて新しい「Visaクラウド・トークン」技術を利用し、WhatsApp上でセキュアな決済を実施することができたという。
こうした動きの中で、10億個のトークン発行はさらなる重要なマイルストーンを意味しているそうだ。これはVisaが、COFトークン・リクエスターとなるVTSに対する28の新たなパートナーを発表した直後に達成され、今後、Visaのクレデンシャル情報を使用したワンタイム決済や定額自動決済の双方において、デジタルトランザクションの安全性をさらに向上させるそうだ。