2020年7月27日12:00
世界遺産「白川郷」を有する岐阜県白川村では、2020年7月10日から、「白川郷QRキャッシュレス割引キャンペーン」を実施している。白川村の飲食店や土産物店に加え、白川郷合掌造り民家園などの観光施設の支払いも対象となる。同キャンペーンは、割引総額が6,000万円に達した時点まで継続して実施する。
国内3種、海外2種のQRコード決済で30%割引
利用者は、白川村の対象店舗等のキャンペーン加盟店でQRコード決済をすると、1回あたり3,000円を上限に、30%が即時に割り引かれる。対象決済サービスは、国内向けが「楽天Pay(アプリ決済)」、「PayPay」、「d払い」の3種となる。
また、白川村でも一時期に比べてインバウンド需要が落ち込んでいるが、コロナ終息後の回復も視野に入れ、「Alipay」と「WeChatPay」にも対応した。昨年は最多となる200万人以上が白川村を観光で訪れたが、そのうち約100万人が外国人観光客だった。
同キャンペーンでは、QRコード決済のゲートウェイサービスを展開するQFPay Japanが決済システムを提供する。店舗では、CPM(利用者提示型コード決済:Consumer Presented Mode)方式による読み取りを実施。QFPayのシステムは1つのQRコードでさまざまな決済方式に対応可能だ。また、割引きなどの機能も操作可能であるため、同村は昨年から導入を行っている。QFPayに対応した専用端末を店舗に設置している店舗が多いが、タブレット端末、スマートフォンを読み取り端末に利用しているところもある。
QRコード決済で事務手続きの手間を軽減
今回のキャンペーンは、新型コロナウィルス感染拡大の影響により白川村での消費が落ち込む中、消費を活性化させる狙いがある。白川村役場 観光振興課 白木氏は、「商品券や割引クーポンなどでは事務手続きが課題となりますが、QRコード決済の場合、割り引いた金額を村から補填する形で対応ができるため、管理を一元化できます」と話す。また、政府が推進するキャッシュレスの波に乗り、観光客に便利に利用してもらうことが可能だ。
導入から間もないが、すでに一日の売上の半数がキャッシュレスになった店舗もあるという。これまでキャッシュレス決済を導入していない店舗の中には、観光客の購買でプラスになったところもあるという。また、話を聞いた店舗や施設では、QR決済の利用が目立つようになっている。実際、ある土産物店ではQR決済で支払いを行うと、非常にお得に買い物ができることをPRしていた。
なお、白川村では、7月1日からの予約で、割引総額1億円の「白川郷宿泊割引キャンペーン」も行っている(QR決済は宿泊施設の予約では利用できない)。同キャンペーンでは、白川郷観光協会の宿泊予約サイトからの宿泊予約に限り、1泊1人あたり半額(最大5,000円)のキャンペーン割引価格で部屋を提供している。