2020年9月8日9:19
メルカリとメルペイ、NTTドコモは、全国の加盟店において2020年9月から、1つのQRコードで「メルペイ」と「d払い」の両スマホ決済サービスが利用できるサービスを開始した。9月7日には、共通QRコードの店舗での利用開始の説明と、「あたらしいキャッシュレス様式」を啓発するポスターを披露する店頭取材会を開催した。
業務提携の一環として共通QRコード設置
1つのQRコードで双方の支払いに対応
メルカリとメルペイ、NTTドコモは、2020年2月に業務提携に合意。6月にはフリマアプリ「メルカリ」とNTTドコモの「dアカウント」連携を開始し、メルカリでドコモの共通ポイントカード「dポイント」が利用できるようになるなど、連携を深めている。今回の共通QRコードの設置も両社の業務提携の一環となる。
店舗に設置されるのは、利用者読み取り式(MPM:Merchant Presented Mode)の共通QRコードとなる。加盟店は、レジ周りに1つのQRコードを設置するだけで「メルペイ」と「d払い」の両スマホ決済サービスに対応できる。既存の加盟店には、9月中旬頃までに共通QRコードが届く予定だ。また、新規の加盟店開拓にも役立てることが可能だ。
「あたらしいキャッシュレス様式」啓発ポスターを制作
2つの決済により店舗の集客・認知度アップに貢献へ
さらに、店舗での安心・安全なキャッシュレス利用「あたらしいキャッシュレス様式」を啓発するポスターを制作した。同ポスターは、キャッシュレス決済版、汎用版を用意し、メルペイホームページ内にて配布を開始している。メルペイ 加盟店アライアンスチーム マネジャー 井本陽子氏は「安心・安全に加盟店、お客様にサービスをご利用いただけるようにポスターを作成しました」と説明する。新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、現金に触れることのない、キャッシュレス決済の利用を促進させることで、安心・安全なサービスを提供するとともに、利便性を高めていきたいとした。
今回の3社の連携により、利用者にキャッシュレス決済を知ってもらう機会が増えると、NTTドコモでは期待する。メルカリの月間利用者数は1,650万人、年間売上金は5,000億円、NTTドコモのdポイントクラブ会員は7,500万人、dポイント年間利用額は2,000億円となっている。強固な顧客基盤を持つ両社のサービスをまとめて導入してもらうことにより、店舗の集客・認知度アップにつなげていく方針だ。
NTTドコモ プラットフォームビジネス推進部 ペイメントビジネス ペイメントビジネス担当主査 八代 正俊氏は「加盟店、ご利用いただけるお客様の双方にメリットがあります。顧客基盤が大きく広がるのでより良いサービスを提供できます」と話す。
メルペイが「d払い」の包括加盟店としてサービスを展開
他のQR決済との連携もオープンに検討
今回の両社の座組では、メルペイが「d払い」の包括加盟店としてサービスを展開。加盟店は、一度の申し込みで、「メルペイ」と「d払い」の双方を導入可能だ。 NTTドコモは加盟店向けに、決済手数料2.6%(税別)という新たな手数料体系での申込受付を2020年7月1日から開始。また、メルペイは2021年6月30日まで、「d払い」は2021年3月31日まで決済手数料が実質無料で利用できる。加盟店への支払いもメルペイから一括して行われる。
既存のメルペイ加盟店は、現行のQRコードでも「d払い」が利用可能だが、サービスの認知のため、新たに配布する「d払い」のロゴが入ったQRを設置してもらうようにする。
現在は、「メルペイ」と「d払い」がの2つのサービスが利用可能だが、「他のQRコードとの提携はオープンに検討していきたいと考えています」と井本氏は話す。
なお、メルペイとNTTドコモは、デジタルガレージが提供するマルチQRコード決済ソリューション「クラウドペイ」とも連携しており、他のQRコード決済の利用も含め、1つのQRコードで可能となっている。総務省が推進する統一QR「JPQR」も含め、それぞれのシーンで加盟店を開拓していきたいとした。