2020年10月5日20:22
マクニカネットワークスは、ホテル・旅館の宿泊予約サービス「Relux(リラックス)」を運営するLoco Partnersへ不正利用検知サービス「Sift」を提供したと発表した。
新型コロナウイルス(COVID-19)発生直後より、国内観光産業は深刻な影響を受けているが、Go To トラベルキャンペーンの実施に伴い、市場の回復が期待されている。しかし、旅行者の多くがインターネット上で宿泊予約を行う中、国内のクレジットカードの不正利用被害は273億円と年々増加しており、その多くが窃取されたカード情報等を不正に利用したなりすましによる被害となっている。盗まれたクレジットカード情報の悪用先は、旅行サービス(宿泊施設、航空券、テーマパークのチケット等)も例外ではなく、2018年ごろから不正トラベル被害が相次いで発生している。割賦販売法の実務上の指針となる「クレジットカード・セキュリティガイドライン」は、宿泊予約サービスをカード情報の不正利用における高リスク商材の1つと位置づけ、2020年9月末を期限に不正利用対策の対応完了を求めている。
今回、マクニカネットワークスがLoco Partnersに提供した「Sift」は、インターネット上でアカウントの乗っ取りやなりすまし、盗難されたクレジットカードの利用、偽アカウントの作成などをリアルタイムに検知、ブロックが可能なオンライン詐欺対策ソリューションとなる。「Sift」の利用により、Loco Partnersが企画、運営するホテル・旅館の宿泊予約サービス「Relux」において、不正アカウント数百件を発見、不正防止の強化を実現した。
本気の犯罪者はルールをハックするため、ルールベースのシステムでは犯罪者に先回りされ対策の穴を突かれてしまうという。また、常に先回りしたアップデートが必要のため、ルールの更新の工数がかかる。Loco Partnersでは、機械学習を活用したSiftのユーザ行動分析を活用することにより、不審なアカウントにリスクスコアを付与し、疑いのあるアカウントを抽出。その一部のリスクスコアのみを人が確認し、スコアが大きい取引を不正とみなして確認と停止の措置を行うことで不正アカウントの発見にかかる工数も削減しているそうだ。今後のインバウンド需要の復活に備え、防御を固めているという。
なお、マクニカネットワークスでは、Sift社の一次代理店として同ソリューションを提供している。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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