2021年4月8日18:04
マクニカネットワークスは、吉野家へクレジットカード決済の不正防止サービス「Sift」を提供したと発表した。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、これまで以上にECサイトの活用が進んでいる。同時に、国内のクレジットカードの不正利用被害は年々増加しており、そのほとんどが窃取されたカード情報等を不正に利用したなりすましによる被害だ。中でも、EC(ネット取引)加盟店において多く発生しているという。
吉野家においても同様に、公式通販ショップの売上は対前年比130%以上の大幅な成長を遂げる一方で、2020年2月下旬頃からクレジットカードの不正利用による高額な不正注文が相次いで発生していたそうだ。今回、マクニカネットワークスとGMOペイメントゲートウェイ株式会社(GMO-PG)が吉野家に共同で提供した「Sift」は、機械学習によってクレジットカードの不審な取引を検知し、未然に防止するオンライン不正検知サービスだ。「Sift」では機械学習によって怪しいユーザの行動を検知するため、ユーザの離脱につながることはないという。また、ルールベースの対策では最新の不正手口に都度対応しなければならないが、「Sift」の機械学習は3万4,000以上のWebサイトとモバイルアプリで構成される集合体からインテリジェンスを活用するため検知精度が高く、不正ルールのチューニングといった運用負荷も最小限に抑えられるという。
吉野家公式通販ショップでは「Sift」の利用により、不正注文が導入前は約40件、累計で160万円以上の損害(2020年2月からの3カ月間)だったのが1カ月に1件程度となった。対策方法は、Sift導入前がカートシステムの「いたずら判定機能」、電話調査や発送停止などすべて人力だったが、導入後はSiftが算出するスコアが40点以上の怪しい取引を「保留」として翌朝まとめてレビューするとともに、不正と判断した取引の出荷を停止、また、不正手口の変化にも機械学習で対応している。対策にかかる時間は、Sift導入前が30分から1時間×怪しい注文件数分だったが、1日30分程度となったそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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