2021年6月17日8:39
カスペルスキーと国立大学法人静岡大学は、2021年6月16日、主に高校生を対象としたセキュリティ啓発教材「ネットの『リスク』を見きわめよう(高校生編)」を共同で開発、授業などで活用できるよう無償ダウンロード提供を開始した。
内閣府が実施した令和2年度(2020年度)の青少年のインターネット利用環境実態調査結果では、インターネットを利用している高校生のうち95.2%が接続機器にスマートフォンを利用していると回答、そのうち99.1%がインターネット利用には自分専用のスマートフォンを使っていると回答した。また、2022年から成人年齢が18歳に引き下げられ、高校生でも親の同意が無くても携帯電話やクレジットカード、ローンなどの契約行為を行うことができるようになる。特にインターネット上での契約行為やクレジットカードの利用についてはさまざまな脅威が潜んでいるという。
「ネットの『リスク』を見きわめよう(高校生編)」は、キャッシュレス決済や課金、ネットショッピングなどの注意点を、具体的な状況の中でカードを使って考えながら学ぶことを目的とし、カスペルスキーと静岡大学塩田真吾研究室が共同で開発している。学校の1コマの授業で実施できるように生徒用のカード教材や教員用の指導案、説明スライドなどの教材一式が用意されている。生徒が使う各カードの表面には、ネットショッピングやキャッシュレス決済時などに身近で起こり得る状況が記載され、裏面にはその具体的なスマートフォンの画面が提示されている。生徒はその画面内容が怪しいか怪しくないかを判断し、グループでディスカッションをする。教員は説明スライドに沿って、カードごとに具体的に記載された気を付けるべきポイントを説明しながら答え合わせをする。また、ワークシートには個人情報が漏えいした事例をもとにその原因を考えさせる項目があり、生徒はリスクを見極める判断力を身に付けることができるという。さらに、目で見て判断できる怪しさには限界があり、目に見えない怪しさに対してはセキュリティ対策ソフトを利用する重要性も学べるようになっている。
なお、両者では、これまでにも、Webサイトやアプリに潜む危険性を判断する力をつける「ネットの『あやしい』を見きわめよう(中高生編)」、シニア層がインターネット利用に関する判断力をつける「ネットの『あやしい』を見きわめよう(シニア編)」を共同で開発しているそうだ。
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ペイメントナビ編集部
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