2023年6月2日9:20
「クレジットカード・セキュリティガイドライン【4.0版】」では、附属文書として「クレジットカード売上票の作成・保管に関するガイドライン」が設けられた。同ガイドラインは一般には非公表でアクワイアラ(カード加盟店開拓会社)を通してシステム対応を行う加盟店などが取得可能だが、ガイドラインのポイントについてオムロンソーシアルソリューションズに話を聞いた。
サイン取得は 2025年3月を目途に加盟店の任意に
サインとの同一性確認は必須とせず
クレジット取引セキュリティ対策協議会のテクニカルグループの分科会では、IC 取引時のオペレーションルールとして、サインレスの署名任意化やPINバイパスの廃止などを議論していた。例えば、同ガイドラインでは、本人確認方法としての「サイン」の取得は 2025年3月を目途に加盟店の任意とし、取得しないことを推奨している。また、「サイン」取得時も売上票に記載されたサインとの同一性確認は必須としないことが盛り込まれている。
同ガイドラインでは、「クレジットカード取引の売上票(カード会社控え等)は『サイン』 取得の前提で取引時に作成され、保管されている運用が一般的であるが、一方で『サイン』を取得しない加盟店の取引においては紙伝票印刷や保管業務の削減等、運用の合理化を図ることが可能となる。『サイン』を取得しない加盟店における、クレジットカード売上票の取扱いに関して運用を検討する際には『クレジットカード売上票の作成・保管に関するガイドライン 【附属文書 16】』を参照」と記載されている。
POS加盟店の紙のカード会社控えを任意化
紙出力の場合は引き続き7年間保管が必要に
具体的には、POS端末でカード会社控えにサインをもらい、加盟店が紙の控えを法人税法の通り7年間保管するルールに対しての対応となる。同分科会に参加したオムロンソーシアルソリューションズ 事業開発統轄本部 EFTソリューション事業部 技術統括部 矢是泰士氏は「ペーパーレス化が進み、電子ジャーナルや電子レシートなどが増える中、サインにより紙の売上表が残ります。国内の決済端末はPIN入力によるセキュリティが進む中、署名オンリーのカードは残りますが、その義務を任意化にすることで、紙の出力を減らすことができます」と説明する。また、紙の出力をなくすことで対面取引のオペレーション時間の短縮につながる。
同ガイドラインの内容として、カード会社控えについては、サインを取得しない場合は作成しなくてもいいことが決まった。「クレジットカードはオンラインで使えない場合、例外的にオフライン対応が可能なので、その時は紙で帳票を起こし、作成した紙は保管することが求められます」(矢是氏)。もし運用上、紙でサインを取得する場合は、引き続き7年間保管する必要がある。電子ジャーナルや電子レシートの場合は電子帳簿保存法を優先する。現在は仮に紙でサインを取得して、それをスキャンした場合でも紙のサインが元データとなるため、7年間の保管が求められる。矢是氏は「現在猶予期間となっているので、紙が正ですが、猶
利用者控えについては、メールなど電子データで発行するクラウド発行も可能だが、割賦販売法の規定では書面交付が求められたら書面で出す義務がある。分割やボーナス一括などは書面の交付を利用者から求められた場合、発行しなければならないが、一括の場合はその義務がない。そのため、例えば一回払い専用の加盟店POSシステムでは、利用者控えも出す必要がない。また、加盟店控えの出力は加盟店の任意となる。
ガイドラインによりPOS加盟店の運用はどうなる?
JCCAのCCTは独自のルールが存在
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