2023年7月24日8:30
ソニーは、2023年7月13日、目黒学院中学(東京都目黒区)の1年~3年の67名に対し、キャッシュレス授業「電子マネーから学ぶキャッシュレスと経済のしくみ」を開催した。
ソニーは、非接触ICカード技術 FeliCa(フェリカ)を提供している。同授業は、ソニーの担当者と、FeliCaの技術を使った電子マネーサービスを運営するイオン(WAON)、NTTドコモ(iD)、ジェーシービー(QUICPay)、セブン・カードサービス(nanaco)、JR東日本(Suica)、楽天ペイメント/楽天Edy(楽天Edy)の担当者が実施している。
同授業は、NPO法人 企業教育研究会の協力を得て、2021年6月から実施。約3年にわたり、毎月1回程の授業を実施してきた。費用は無料で首都圏を中心に応募した学校が受講できる。学校では、理科の授業で電磁誘導、家庭科の授業でキャッシュレスについて教えられることもあるというが、約100分(50分×2コマ)にわたりキャッシュレス仕組みを技術・経済的に学ぶことができる場であることが特徴だ。
目黒学院中学の授業では、ソニー サービス事業グループ FeliCa事業部 営業部 営業1課 セールスアドバイザー 渡邊誠氏と、NTTドコモ スマートライフカンパニー ウォレットサービス部 iD企画担当 藤橋純野氏が講師を務め、進行は企業教育研究会 瀬尾悠太氏が行った。
授業ではまず、「モノを買ったり、サービスを受ける際に、どのような支払いで行うか」を生徒に質問した。クレジット、コード決済、電子マネー、ポイント支払などの回答が出たが、現金以外の支払い手段が“キャッシュレス決済”となる。
続いて、キャッシュレス決済の技術としてFeliCaを例にとり、電磁誘導を応用した電子マネー決済の仕組みについて解説した。
各生徒には、ICチップやコイルなどFeliCaの構造が分かる透明のICカードが配られた。FeliCaを活用した電子マネー決済では、決済端末のリーダーから電流が流れており、それをコイルが付いたカードをかざすことにより、非接触でスピーディ、安全に決済処理が可能だ。
授業では、前払い、即時払い、後払いといったキャッシュレスの仕組みについて解説し、その利便性について、消費者、店舗それぞれの目線で考えた。
授業後半のグループワークでは、「トレーニング好きの会社員」など4つのペルソナから、それぞれの人物像がキャッシュレスを利用するメリットを各班で考え、発表した。
また、キャッシュレスは便利だが、その一方で、使い過ぎや不正利用といったトラブルが起きていることも解説した。
授業の最後では、日本のキャッシュレスの現状や目標など、キャッシュレスが推進されている背景に加え、普及することで社会や人々の生活がどのように変化するかを紹介した。
ソニーの渡邊氏は、FeliCaでは、カード決済や電子マネーなど、複数の機能を1枚のカードに集約した「マルチインターフェースICチップ」を提供していることを挙げた。また、イベントホールのZeppでは、複数の電子マネー決済が利用できるなど、電子マネーが使える場所を増やしている。
NTTドコモの藤橋氏は、日本全国207万箇所以上でiDが利用できることを紹介。また、キャッシュバックやアニメとタイアップしたお得なキャンペーンも実施するなど、利用の拡大に努めているそうだ。