2023年12月11日15:20
ゲームなどのメディア事業やポイント事業などを展開するGMOメディア株式会社は、クレジットカード利活用を革新的に促進するシステムの特許を2023年11月27日に取得した。この特許技術は、利用者が使用したクレジットカード番号から、クレジットカード会社を自動で識別し、特定のカード利用者に対して決済金額に応じたポイントを付与することができる。ブラウザ上で動くH5ゲームのプラットフォーム「ゲソてん byGMO」で提供を始めるほか、通信や電気・ガス、不動産、金融などのインフラサービスの利用継続を促すポイント付与機能を提供するなどユーザーのLTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)を高めるためのツールとして提供する。(提供:GMOメディア株式会社)
カード番号から自動的にカード券種を判別
「ゲソてん byGMO」上でのキャンペーンなどで提供
GMOメディア取締役コンテンツ事業本部本部長の佐藤真氏は「ゲソてんでは、クレジットカード決済とポイント還元をセットでキャンペーン展開していますが、これを発展させ、さまざまなポイント事業者とクレジットカード事業者のサービスを組み合わせ、ユニークなサービスが提供できるのではないかと考えました。クレジットカード会社にとっても、発券から利用促進にスムーズにつなげることができると考えています」と特許申請の背景を語る。
今回の特許技術は、ECサイトなどでカードを利用する際、カード番号から自動的にカード券種を判別し、独自のポイント還元キャンペーンの実施を可能にする。クレジットカード各社はこのシステム特許の利用により、ネットショップやオンラインエンターテインメントなどを運営する企業に対し、オンライン決済において顧客体験のさらなる向上とビジネスの成長を実現できるメリットがある。利用者にとっては、より簡単で快適な決済体験と同時に使い勝手の良いポイント還元による付加価値が享受できる。
同社の特許技術を活用したキャンペーンは、自社が運営するH5ゲームプラットフォーム「ゲソてん byGMO」での提供を予定している。「ゲソてん byGMO」では、クレジットカードをはじめ、さまざまな決済手段が利用できる。クレジットカード各社は自社ユーザーを優遇し、利活用の促進キャンペーンを展開することが可能となる。
ポイントを活用した継続的なコミュニケーション実現
メディア側でもプロモーションを展開可能
クレジットカード会社が単体でクレジットカード利用に応じてポイントを還元する技術はすでに活用されている。これに対し、今回のGMOメディアの特許技術は、さまざまなカードと各ポイントの組み合わせを柔軟に設定できることが特徴だ(図1)。また、従来のキャンペーン終了後にポイントを還元するケースに対して、オンラインで即時にポイント付与が完結できるメリットもある。
利用例としては、カード発券後のユーザーに対して、利用回数に応じて継続的なポイント付与もしくは利用を促すような施策への活用を想定している(図2)。また、クレジットカード専用ASPとしての活用法も効果的だ。具体的には、「3rd Party Cookie」の完全廃止によって、独自のトラッキング技術が注目されており、クレジットカードの発券後利用完了の成果に特化した独自のASPとして営業を行うことが可能だ。
佐藤氏は「あるポイントサービスで複数のカードのキャンペーンを同時に走らせることもできるほか、カード会社だけでなく、メディア側でもこの仕組みを活用してプロモーションを展開することができます」と話す。
商品・サービスの継続率を高め、LTVの向上を図る
クレジットカード利用促進の新マーケティング戦略に
GMOメディアでは、すでにこの特許技術を使ったWeb広告分野での新たなサービスの展開を検討している。広告メディア事業本部営業企画部部長の奥山了輔氏は「今後は、アフィリエイトASP『アフィタウン byGMO』で、クレジットカード利活用施策としての特許活用を計画しています」と話す。
「アフィタウン byGMO」は、ポイントを貯めて、貯めたポイントを電子マネーなどに交換できるポイ活サービス「ポイントタウン byGMO」から派生したアフィリエイトASPだ。ポイントに特化したアフィリエイトの代理店として活動しており、今回は媒体側での活用と代理店としての活用を計画している(図3)。
クレジットカード会社をネットワークすることで、広告主が特定のカード会社との1対1のタイアップではなく、複数のカード会社を巻き込んだ連携を組み込むことで、キャンペーンの幅を広げることができる。奥山氏は「ポイント還元では、ポイントサイトのアフィリエイトはネガティブにみられることが多いと聞きます。ユーザーは、ポイント目当てで購入しても、ポイントを得た後は使ってくれないケースが散見されるからです。獲得はできるけど継続しないユーザーが多いと、広告の費用対効果が損なわれます。当社の特許技術使って、商品やサービスの購入だけではなく、利用に対してポイントを付けることで、継続率を高め、LTVを高めることが期待できます」と話す。
一般社団法人日本クレジット協会の調べによると、クレジットカードの総発行枚数は、3億枚を超えると言われ、1人が複数枚持つ時代において、その利活用実態が重要視されている。佐藤氏は「この特許技術を活用し、クレジットカード利用促進のための新たなマーケティング戦略を展開し、市場の変革に貢献したいと考えています」と意気込みを見せた。
■お問い合わせ先
GMOメディア株式会社
TEL:03-5456-2626
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