2024年2月29日13:10
一般社団法人全国スーパーマーケット協会が主催するスーパーマーケットを中心とする食品流通業界に最新情報を発信する商談展示会「第 58 回スーパーマーケット・トレードショー 2024」(SMTS)、および中食産業に特化した商談展示会「デリカテッセン・ト レードショー2024」(DTS)が2024年2月14日~16日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催された。スーパーマーケットでもキャッシュレス化が進んでいるが、同展示会では決済関連のソリューションも紹介された。
7万5,858 名が来場
スーパーマーケットのキャッシュレス進行
主催者の発表によると、SMTの出展者数は 2,190 社・ 団体、3,521 小間の規模となった。日本各地から 1,480 社以上の地域産品メーカーが出展し、海外からも 13 カ国、93 社・団体、126 小間が参加した。来場者は3 日間で 7万5,858 名(複数日来場 8,429 名含む)。
なお、DTS は 50 社・団体、238 小間の規模で開催され、主催者企画 「お弁当・お惣菜大賞 2024」では 14,992 件のエントリーがあったという。
同イベントではプレスルームで「スーパーマーケット白書」がメディアに配布される。筆者も毎年同白書を楽しみに参加している。同白書ではスーパーマーケットのキャッシュレス化の現状などについて紹介されているからだ。
全国スーパーマーケット協会によると、2023年のスーパーマーケット店舗は2万3,078店舗となった。支払いについては、セルフレジが31.1%、セルフ精算レジが78.2%となった。また、近年注目されているセルフバーコードスキャンは13.2%となっている。さらに、顧客ロイヤリティを高めるためにポイントカードを導入しているスーパーマーケットは86.7%となった。
スーパーマーケットにおけるキャッシュレス決済導入率は95.4%となり、「ほぼ当たり前といえる状況となった」とされている。決済手段の導入率はクレジットカードが95.2%、電子マネーが81.9%、QRコード決済が66%となっている。また、各決済手段の利用金額の割合はクレジットカードが16%、電子マネーが18.6%、QRコード決済が4.6%となっている。現金は59.4%であり、政府目標の40%の決済比率を達成しているとはいえ、まだまだキャッシュレス化が進む余地は大きいと思われる。
決済手数料負担は課題に
4割強が現状のキャッシュレス比率を望む
当然、キャッシュレス化による顧客利便性向上などのメリットは大きいが、多くのスーパーマーケットにとって決済手数料負担は課題となっており、「今後、キャッシュレス比率が上昇するのが良い」と回答した企業は45.7%にとどまった。また、今のままのキャッシュレス比率を望む割合が41.5%となったそうだ。
将来的に政府ではキャッシュレス比率8割を目指すとしているが、その目標に向けて、日常利用が多いスーパーマーケットでのキャッシュレス比率拡大は重要だ。スーパーマーケットも水道や光熱費、人件費の高騰もあり経営が厳しくなっている。決済事業者の手数料も以前より低減が進んでいると思われるが、「政府からキャッシュレス事業者、金融機関などへの手数料引き下げに向けたさらなる働きかけが必要」だと同白書では述べている。
スマホでスーパーの買い物を便利に
商品券のセルフ対応や冷凍自販機のマルチストックも
会場では、寺岡精工がクラウド型マルチ決済サービス「Payoss」を展示。「Payoss」は業界最多水準の50種類以上の決済ブランドに対応。2024年は共通ポイントやマイレージに対応した「POICHI(ポイチ)」、Alipay+やMy Prompt QRにも対応する予定だという。
また、実店舗の強みとネットスーパーの利便性を融合させたソリューションとして「Shop&Go PickUp」がお披露目された。
「Shop&Go」は店舗で商品を選びながら、利用者自身がスマートフォンでバーコードをスキャンしながら商品を選ぶことができるサービスで、すでにスーパーマーケットで導入実績がある。レジにかかる時間を約30秒に短縮可能だ。事前注文品は、会計終了後に店頭の受け取り専用ロッカー「ピックアップドア」から受け取りできる。
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