2024年10月24日9:00
三井住友トラストクラブは、ダイナースクラブとTRUST CLUBカード(Visa/Mastercard)の発行を行っている。ダイナースクラブは「ダイナースクラブカード」が税込2万4,200円以上の価格帯の商品を、TRUST CLUBカードではVisaがゴールド、プラチナグレード、Mastercardはプラチナ以上、ワールド、ワールドエリートというハイグレードの商品をラインナップしており、富裕層やハイステータスを求める利用者を中心に、支持されているそうだ。同社では他社との差別化として、プレミアムカード会員向けのサービスであるメタルカードに従来のシルバーに加え、ブラックの発行を開始した。また、ビジネス・アカウントカードの発行、同社ならではの特別なイベントや体験を提供するなど、プレミアムカード会員向けの取り組みを強化している。
高額決済に加え、日常利用や少額利用も伸長
プライベート・ビジネスの双方で活用
三井住友トラストクラブのダイナースクラブブランドでは、長年積み重ねてきたノウハウに基づき、「会員一人ごとの利用実績などに応じ、他社よりも大きな利用枠を設定しています」(同社)。ここ数年はコロナ禍の自粛により海外旅行などの機会も減っていたが、これらも回復する傾向にある。また、昨年より俳優の長谷川 博己さんを起用したテレビコマーシャルや交通広告を展開しており、これまでダイナースクラブを知らなかった人にも知ってもらう機会が増えたそうだ。その効果もあってか、ダイナースクラブカードへの申し込みも増えている。また、その上位のダイナースクラブ プレミアムカード、ロイヤルプレミアムカードへも関心が寄せられている。
会員数や利用額などの具体的な数字は非公表だが、「一般的な年会費無料のカードの年間利用額は10万円~30万円前後、ゴールドカードでも80万円~100万円ほどかと思いますが、弊社のカードではこれらを大きく上回るご利用をいただくお客様が多くいらっしゃいます。稼働率についても一般的な水準と比べても高いと考えております。ハレの日のご利用の例として、愛する奥様へのプレゼントで、世界で一品物のジュエリー(7,000万円)、5年にわたり待ち続けた超高級ブランドの時計(6,000万円)等、超高額な決済もご利用いただいております。また、ボート・ヨットディーラー、高級外車ディーラーなどでもご利用いただけ、ダイナースクラブしかご利用いただけない先もございます」と同社では特徴を述べる。一方で、昨今のキャッシュレス化の波や、カードのタッチ決済の急速な普及により、日常利用や少額利用も伸びており、1件数百円から数千円程度の利用も目立つ。
昨今、ステータスが高く、年会費の高いカードは増加傾向にあり、他社でもプラチナグレード以上のカードの発行が活発だ。そういったカードの中にはポイントなどの利得性が高いカードで支持を集めているカードもある。一方同社には、金銭価値でははかれない、コンシェルジュや他では体験できない独自のイベントへの要望、60年以上のステータスカードの歴史を持つダイナースクラブブランドへの期待が寄せられている。そういった利用者に、「ダイナースクラブカード」よりワンランク上の「ダイナースクラブ プレミアムカード」を持ってもらい、「他では体験できない価値をご提供差しあげることが、日本最初のクレジットカード会社であり、長年ステータスカードとしての地位を築いてきた当社の使命と考えております」と同社では強調する。
現在、「ダイナースクラブ プレミアムカード」は、男性会員の割合が高く・都市部在住の経営者、企業役員、医師/弁護士、芸能人などが保有している。また、年齢は40・50代の現役世代の割合が高い傾向にある。同社では「ダイナースクラブカードは、高額な年会費であることも一因ですが、メインカードとしてご利用いただいているお客様が多いと考えております」と説明する。また、ビジネス・アカウントカードという法人口座決済ができる付帯カードも好評を得ており、プライベート・ビジネスのどちらの場面でも利用できる。
顧客の価値観やニーズは多様化しており、これまでのような画一的なサービス展開では満足してもらえないケースも出てくると考えている。そのため、本当に利用者が必要とするサービスは何なのか、過剰なサービスは無いかなどを一から見直していく必要がある。そういった利用者の多様なニーズに応えるには、通常の枠組みでのサービス提供では限界があると考え、プレミアムカードを持つ人への限定サービスとして「ダイナースクラブ ロイヤルプレミアムカード」を発行している。同カードは、専任のコンシェルジュが、さまざまな利用者の要望にオーダーメイド型で対応し、利用者一人ひとりにあった対応をしている。
ブラックのメタルカードは重厚感ある漆黒を表現
現時点ではベストな商品と確信
他社もプレミアムカードを発行する中、差別化の1つが、「ダイナースクラブ ロイヤルプレミアムカード」「ダイナースクラブ プレミアムカード」に金属製の「メタルカード」(シルバー)を2022年より発行している点だ。トレンドとして、スマートフォンなどを用いてカードレスで決済を簡易に済ませたいという人がいる一方で、カードの素材やデザインにこだわったものを持ちたいという利用者のニーズもあると感じている。
カード企画本部 イシュイング企画部 個人カード企画チーム アシスタントマネージャー 及川紗希氏は「メタルカードは一見、プラスチック製のカードを金属製に変えただけのように思われるかもしれませんが、実はカードのデザイン制作や生産、品質管理などがプラスチック製カードとは比べ物にならないほど難しく、非常に手間暇がかかります。当社ではデザインの細部にまでこだわり、お客様に自信をもってお届けできるものを時間をかけて作りました。メタルカードに対しては、お客様からさまざまなご要望を頂戴しており、今後も引き続き良いカードをご提供できるように取り組んで参ります」と話す。
10月23日には、既存の「シルバー」に加え、新たに「ブラック」の発行を開始。及川氏は「メタルカードへの反響は弊社が想像していた以上に大きく、お客様からは様々なご要望を頂いています。「ブラック」を発行するにあたっては、金属の素材感を残しつつ、重厚感ある漆黒を表現することに非常に苦労しました」と打ち明ける。メタルカードは特に対面での利用が多い。
ダイナースクラブブランドの世界観を実現するため、及川氏自身も海外の生産工場に足を運び、2年以上担当者と打ち合わせを重ね、完成に至った。ブラックのメタルカードは現時点ではベストな商品と確信しているそうだが、「今後もお客様のご要望やお好みに合ったデザインを提供できるように、新たな商品を開発していきたいです」と意気込みを見せた。例えば、ダイナースクラブと親密な関係にある「フェラーリ・オーナーズ・クラブ・ジャパン」の「FOCJ版ロイヤルプレミアム・メタルカード」として、一部の会員向けに赤いデザインのメタルカードを発行している。
なお、発行手数料は「ダイナースクラブ ロイヤルプレミアムカード」は無料付帯、「ダイナースクラブプレミアムカード」はシルバー単独発行の際は2万円(税込)だったが、資材や郵送にかかる料金も高騰しているため、ブラックの発行を機にそれぞれ3万円(税込)に値上げした。
ビジネス・アカウントカードが強みに
特別なイベントや体験、社会貢献活動も
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