2024年10月28日7:20
TOPPANホールディングスと、グループ会社であるTOPPAN Next Pte. Ltd.(シンガポール)はこのほどスウェーデンのセキュリティソリューション企業大手であるAssaAbloyと、同社の政府系IDソリューション事業を推進するHID CID(Citizen ID:市民ID)部門(HID CID)の売買契約を締結した。
TOPPANグループは同買収により、HID CIDが持つグローバル市場での強固な販売基盤や顧客基盤、およびソリューション企画開発力と、TOPPANグループが長年グローバル市場向けに展開してきたセキュリティ事業の技術力を融合。各国政府と直接接点を持ったコンサル力を強化し、セキュリティ商品開発力からデジタルID製品の提供までの幅広いソリューションと、両社の製造開発拠点を機能的かつ効率的に組み合わせ、グローバル市場の社会課題解決に寄与する総合的なIDソリューション事業体制の構築を目指す。
IDは、市民が本人であることを証明し、社会的なサービスを受けるための基盤となるが、IDの整備においては各国の市場背景によりさまざまな要因が絡んでおり、IDを軸とした社会サービスへのアクセスを含む「IDが利用される背景」を理解した上でのソリューション提供が求められているという。さらに昨今ではデジタル化が加速しており、利便性の観点からも市場課題に即したデジタルソリューション提供も必要となっている。
TOPPANグループは1900年に創業し、祖業であるセキュリティ印刷事業に始まる長年にわたるセキュア事業の実績により、現在では世界40カ国以上の政府系IDの実績を有している。一方、政府系IDソリューションを推進するHID CIDは20年以上に渡り、世界50か国以上に技術を提供し、垂直統合プラットフォームを通じて差別化を図ってきた。今回の買収によりTOPPANグループは、グローバル市場における政府系IDソリューション企業としてより強固な体制を構築し、IDソリューション事業のポートフォリオを拡大するという。
TOPPANグループは、HID CIDの特に南米とアフリカにおける営業チャネルを活用し、TOPPANグループのセキュリティソリューションをグローバルに展開することにより、グローバルセキュア事業の拡大を推進する。
なお、「Erhoeht-X(エルヘートクロス)」とは、TOPPANグループが全社をあげて、社会や企業のデジタル革新を支援するとともに、グループ全体のデジタル変革を推進するコンセプトとなる。「エルヘート」は、TOPPANグループ創業の原点である当時の最先端印刷技術「エルヘート凸版法」から名付け、語源であるドイツ語の「Erhöhen(エルホーヘン)」には「高める」という意味があるそうだ。
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ペイメントナビ編集部
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