マレーシアの全国決済ネットワーク「PayNet」が提供する革新的なペイメントソリューションとは?

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2025年6月16日8:00

 

大阪・関西万博のマレーシアパビリオンでキャッシュレスセミナー開催

大阪・関西万博のマレーシアパビリオンでは、2025年5月29日、マレーシア発のキャッシュレス決済の最新技術と取り組みを通じて、国内外のビジネスや観光経済の発展を支えるデジタル経済の未来を探る「デジタル決済が切り拓く未来:マレーシア発グローバルキャッシュレス革命セミナー」を開催した。当日は、マレーシアの全国ネットワークである「PayNet(Payment Network Malaysia)」によるビジネスの成長や顧客体験の向上、販路拡大を支援する取り組みについて紹介した。PayNetが提供する統一QRコード&デジタルウォレット「DuitNow(ドゥイットナウ) QR」では、国内外のさまざまなスマホ決済サービスが1つのQRコードで利用可能となるとともに、海外のパートナーと連携したアウトバンドの展開も強化しているそうだ。

5月29日に開催された「デジタル決済が切り拓く未来 マレーシア発グローバルキャッシュレス革命」開催後の集合写真

「PayNet」はマレーシア国立銀行によって管理
多様な支払いが可能に

2017年に設立された「PayNet」は、マレーシアの全国決済ネットワークであり、国内の決済システムの中心的な役割を担っている。日本の全銀ネットワークに例えられるもので、銀行やプラットフォーム間で安全にリアルタイムの決済を行えるインフラを提供している。マレーシア国内のデジタル決済エコシステムの発展を支援しており、同仕組みはBank Negara Malaysia(マレーシア国立銀行)によって管理され、11の銀行の支援を受けている。

PayNET State Government and Rural Enablement Department(政府および農村支援局) ヘッドのイメルダ・シュバリ(Imelda Shubari)氏

マレーシアでは、1996年に共通決済ネットワークである「MEPS(Malaysian Electronic Payment System)」が設立された。2008年に「My Clear(Malaysian Electronic Clearing Corp Sdn Bhd)」による銀行間電子決済システムが運営されていたが、2017年にMEPSとMy Clearが合併して、マレーシア中央銀行の一部となった。これにより、PayNETが業界に登場することとなった。

PayNETには「Jom PAY(ジョブペイ)」というリファレンスナンバーを使って請求書の支払いができるサービスがある。また、「MyDebit(マイデビット)」はPOSでの支払いやATMから現金を引き出すために使用されている。つまり、競合はVisaやMastercardのようなペイメントサービスであり、支払いの切り替えも行っている。さらに、「Direct Debit(ダイレクトデビット)」により月額支払いの自動引き落としも可能だ。また、eコマースによるリアルタイム決済ソリューションである「FPX(Financial Process Exchange)」も提供している。加えて、銀行間の電子決済システム「IBG(Interbank GIRO)」などで資金の送金も可能だ。

マレーシアの統一QRコードシステム「DuitNow QR」
加盟店は設備投資なく決済を受付可能に

「DuitNow(ドゥイットナウ) QR」は、PayNETの下で運用可能なマレーシアの統一QRコードシステムだ。マレーシアでは国のQRコード標準は互換性があり、PayNETを通じて国内全体の決済データを簡単に統一できる仕組みになっている。これにより、店舗は全国の銀行やウォレットのサービスを1つのコードで受付できる。参加しているPayNETのメンバーも多く、越境取引も可能だという。

PayNET State Government and Rural Enablement Department(政府および農村支援局) ヘッドのイメルダ・シュバリ(Imelda Shubari)氏は「特に中小企業や小規模事業者を意識してデザインされており、低コストでシンプルに導入できることを特徴とします。小さな店主でも複雑な設定は必要なく、多数のQRコードを管理する必要もありません。店舗の導入の障壁を下げ、信頼感を高め、クリーンで一体化された顧客体験を提供します」と説明する。店舗はこれまで端末の導入コストがかかっていたが、QRコードを設置するだけで、設備投資なく支払いを受け付けることが可能だ。

「DuitNow(ドゥイットナウ) QR」。サウンドボックスタイプも(右端)

また、以前は、異なるQRコードを使い分ける必要があったが、現在はそうした煩わしさもなくなったという。「DuitNow QRが最も多くのQRコードを表示できる唯一の製品だと考えています」(シュバリ氏)。QRコード決済では、音声機能が付いた仕組みであるサウンドボックスにより、利用者に即座に支払いを確認、知らせる仕組みを提供しており、販売者の信頼と効率性が向上する。

DuitNow QRはクロスボーダーQR決済の統合、ロイヤルティプログラムやレシートなどの機能を備えており、クレジットやビジネス助成金へのアクセスを容易する。シュバリ氏は「マレーシアでは、ほとんどのことをモバイルで済ませる傾向があり、約80%の人がそうしています」と話す。

Alipay+QRISなどとの取り組み強化
日本のコード決済との連携は?

「DuitNow QR」では国境を越えた取り組みも強化している。国境を越えるQRコード決済は、海外からの訪問者が自国の電子財布や銀行アプリを使って、マレーシアの現地の店舗と取引できるようにしている。これは観光客向けの付加価値サービスであり、地元店舗の新たな収益源となっている。

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