2025年6月18日8:00
データ駆動型スマートシティ構想を掲げ、広域データ連携基盤「ORDEN(オルデン)」を運用する大阪府は、大阪万博に訪れる外国人観光客をターゲットに、Visaと連携したインバウンド誘客キャンペーンを実施中だ。関空周辺の泉州地域の参加店舗でのタッチ決済に対し、抽選で最大30%をキャッシュバック。外国人観光客の周遊活性化を図ると同時に、行動データを収集・分析。観光施策の強化に活かす。
Visaのタッチ決済で30%キャッシュバック
万博に訪れる観光客の周遊を誘引
大阪府では、5月12日から大阪・関西万博の最終日である10月13日まで、Visaと連携し、インバウンド誘客キャンペーンを展開している。
関西国際空港(以下、関空)を擁する泉州地域に位置する堺市、岸和田市、泉佐野市、阪南市の参加店舗が提供するクーポン情報などを、Visaの海外向けの特設サイトや関空および主要交通路に設置したポスターやフライヤーなどで紹介。期間中、参加店舗で行われたVisaのタッチ決済に対し、抽選で最大30%をVisaがキャッシュバックする。店舗が提供するクーポンは提示するだけで利用でき、個人情報とは紐づいていないという。
関空から大阪市内までのアクセスは良好。たとえば、なんばまで、南海本線1本で行ける。このため泉州地域にインバウンド観光客が立ち寄るケースは多くないのが現状。泉州地域の宿泊施設、商業施設にとっては、いかにしてインバウンド需要を取り込むかが課題となっている。
大阪府 スマートシティ戦略部 戦略企画室 戦略企画課 戦略企画グループ 龍石雅之氏によると、「出国前に宿泊先やレストランの予約をすべて済ませている外国人観光客は3割程度。残りの7割は日本に到着してから行き先を決めています」。関空を起点に上手にPRをすれば、近隣の市町村にインバウンド需要を取り込むチャンスは大いにある。大阪府はそう説得して参加自治体を募り、手を挙げた4市とともに今回のキャンペーンをスタートさせることとなった。
参加を希望する店舗は、大阪府の総合行政ポータルサイト「マイド・ア・おおさか(my door OSAKA)」から登録申請を行う。参加店舗に対してVisaは、自社メディアを駆使したサービスのPRや、キャッシュレス決済端末の導入初期費用無料などのサポートを提供している。
決済データをもとに施策の効果を検証
インバウンド需要の拡大を図る
大阪府はデータ駆動型スマートシティ構想を掲げ、2023年から広域データ連携基盤「ORDEN(オルデン)」の運用を開始している。今回のVisaとの連携は、データ駆動型スマートシティ実現への大きな一歩になり得るのだろうか。
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