2025年11月20日9:00
増加する不正ログインへの対策として
「ASUKA Account Protection」をリリース
3DSの適用についてはパターン1から3まで、それぞれの条件が定められています。パターン3は、すべての取引に3DSを実施するというもの。パターン2は条件付きで、登録済みの会員に対しては3DSを課さないというもの。パターン1は、PCI DSSレベルのセキュリティ基準が求められますけれども、3DSの要否の判断を加盟店に委ねるというものです。
パターン2では、不正ログイン対策を行っていれば、会員登録済みのユーザーには3DSをスキップできるということになっています。皆様は3DSを経験したことがおありでしょうか。私は今京都に住んでいるのですが、新幹線の予約をするとき必ず3DSを求められます。これがめちゃくちゃストレスフルです。この経験をしてみると、コンバージョン率に一定の影響はあるだろうと実感します。パターン3からスタートした加盟店からはやはり同じような声が聞かれます。そこでわれわれは今、パターン3の加盟店に対して、「ASUKA」の不正ログイン対策、「ASUKA Account Protection」の導入を提案しています。
不正ログイン対策として、具体的に何をすればいいのか。「クレジットカード・セキュリティガイドライン」の付属文書にはいろいろなことが書かれています。IDを制限するとか、本人認証をするとか。それをいくつかやった上で、決済代行会社やアクワイアラの承認を得ることが必要なのですが、小手先の対策をとるだけではあまり意味がありません。正規の手続きを踏んでパターン2としてスタートしても、結局不正ログインで入られてしまったということがけっこうあるのです。いろいろな不正ログイン対策がある中で、それらを包括したツールとしてリリースしたのが「ASUKA Account Protection」です。「ASUKA」を使っている加盟店であればライトに実装できるということもあって、既に多くの加盟店に使っていただいています。
「ASUKA Account Protection」は、後発のサービスです。後発はずるいのです。先行サービスの課題を理解していますから、それを乗り越えたサービスに仕上げています。不正ログイン対策ツールというのは当然不正を検知する機能を備えているわけですが、「ASUKA Account Protection」はそれに加えて本人認証機能を搭載しています。これまで多くのユーザーは、不正ログイン対策ツールと本人認証ツールを別々に導入していたと思うのですが、そうすると管理が煩雑ですし、コスト負担も大きくなります。「ASUKA Account Protection」は不正ログイン対策ツールの中に本人認証機能も標準で実装し、かつ、固定料金で提供していますので、加盟店にやさしいサービスになっています。
先日、ユーグレナさんとの取り組みについてプレスリリースを出させていただきましたが、ほかにも数多くのさまざまな事業者に使っていただいています。パターン2で、全体の承認率を上げていくということが十分にできますので。パターン3で全件に3DSを課すというのもひとつの方法ではありますが、不正ログイン対策を導入してパターン2の運用に移行するというのも有効な手段だと思います。
開発が容易な「ASUKA-3DS」
導入企業には好評、切り替えも進む
承認率を上げるためにアクルにできること、ということで、「ASUKA-3DS」の紹介をさせていただきたいと思います。3DSは既に導入している、いまさら3DSかと思われるかもしれませんが、少しお話をさせてください。
「ASUKA-3DS」をリリースしたのは、ほとんどのPSPで機能の実装が済んでいた2024年11月と遅かったのですが、アパレル販売のパルなどで導入していただいて、効果を実感していただいています。PSP標準から「ASUKA-3DS」に切り替えるという加盟店も増えています。
「ASUKA-3DS」は、開発者にとって非常にやさしいものになっています。ライトに実装できるということももちろんですが、注文処理ロジックの保守性を損なわない設計になっているのが特徴です。従来は3DSのシステム開発はオーソリの開発とコネクトしていました。しかし「ASUKA-3DS」はフロントのほうで開発ができますので、いわゆる3DSとオーソリを分けることができます。ですので、非常に開発が楽なのです。
3DSは規格のバージョンアップがあります。それに合わせて、場合によっては加盟店側で開発が必要になります。けれども「ASUKA-3DS」は基本的にアクル側ですべて開発しますので、加盟店がバージョンアップへの対応をする必要はありません。かなり大きなアップデートがあったときには加盟店側でも開発が必要になる可能性はありますが、そうなった場合でも、先ほど申し上げたように開発がとても楽なので、対応しやすいと思います。
UXという観点では、「ASUKA-3DS」の場合、モーダル型の本人認証になっています。3DSでは画面が遷移して、ユーザーへのインパクトが大きく、それがコンバージョンにも影響します。「ASUKA-3DS」ではモーダルが出て、そのままパスワードを入れるような流れになっていますので、ユーザーにやさしい設計になっています。ちょっとしたことなのですが、スムーズにユーザーを流すことができると、パルからも大きな評価をいただいています。
日々の運用工数の低減というメリットもあります。決済ができないという問い合わせが発生したときに、オーソリがどこで止まっているか把握して対応する必要があるのですが、「ASUKA-3DS」では「ASUKA」の管理画面のみで確認でき、複数画面を行き来する手間が要りません。
CV最適化サービスを11月にリリース
データを自動修正し無用なカゴ落ちを阻止
「ASUKA-3DS」を提供しているわれわれは、3DSに流すデータを見ることができるわけですが、そこから3DSに謎にはじかれるデータというのが見えてきました。こういうかたちでデータを流すと、真正データであっても、3DSに無条件ではじかれるということがわかってきたのです。そういったデータの特徴を分析、把握することで、3DSをシームレスに通過させることを可能にしています。
この知見をもとに、2025年11月にCV最適化サービスをリリースします。3DSで無条件にはじかれてしまうデータを自動で修正することで、無用なカゴ落ちを回避するサービスです。導入によって販売機会損失を大きく減らすことができます。
「ASUKA」ではダッシュボードで、オーソリ承認率をはじめ、オーソリエラー要因、カードイシュア別/ブランド別オーソリ承認率、3DS認証結果、3DSチャレンジ認証有無、3DSチャレンジ認証有無による認証結果、カードイシュア別/ブランド別3DSチャレンジ認証発生率、3DS認証結果などさまざまなデータを確認することができます。レポート機能も実装しています。いちいち決済代行会社に問い合わせていただく必要はありません。承認率を可視化して、課題を分析し、有効な対策につなげることができます。
ただ、承認率を上げることも大切なのですが、加盟店ごとに詳しく見ていくと、カードではじかれているけれど、ほかの決済手段で取引が成立しているケースもあります。カードの承認率は90%だけれども、売上で見れば95%を超えているという場合もあるのです。ですからあまり“承認率祭り”に踊らされないようにしてほしいと思っています。とにかく承認率を上げればいいという単純な問題ではないと思います。
新・マーケティングファネルの提唱
「実顧客化」の手前で離脱が起きている
ここでECにおける新たなマーケティングモデルを提示したいと思います。先ほどから私が言っている、売上を最大化しましょう、承認率を上げましょうというのは、マーケティングのお話です。
ECにおける典型的なマーケティングファネルがあります。リードを獲得して、ナーチャリングして、顧客化して、リピートにつなげる。この「顧客化」の部分に着目していただきたいのです。顧客化というのは、購入意思決定を醸成するというのがマーケティング的な定義です。けれどもECでは違います。購入意思があって購入ボタンを押しても、その後で離脱するということがECでは起こります。なので、私はこれを、顧客化と実顧客化に分けて明確化することを提唱します。購入ボタンを押すところまでが顧客化、決済が完了し、承認取引が成立した時点ではじめて実顧客化というステージに至る。実顧客化の手前で落ちているということに気づくべきです。冒頭で言いましたように、チャージバックがないのだから何もしなくていいということではなく、マーケティングファネルの最後の最後でお客様を落としているということなのです。リード獲得、ナーチャリングというところで大きな投資をしているにもかかわらず、実顧客化に至らずに他社に顧客を奪われているという現実があるわけです。これを意識すれば、EC黎明期から活躍してきた担当者ならずとも、きちんと決済を完了させることの重要性をご理解いただけると思います。
アクルはまさにこの実顧客化というステージにおけるボトルネックを解消するサービスを展開していきます。11月にリリースするCV最適化サービスもそうですし、それ以外にもいろいろ準備をしています。アクルは単に不正検知サービスを提供する会社ではなくて、EC事業者の実顧客化を支援する会社だと認識していただきたいと考えております。
ご清聴ありがとうございました。
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