2026年7月13日8:30
決済、銀行、証券、融資、保険といったサービスを提供するNTTドコモ・フィナンシャルグループ設立の記者説明会が2026年7月9日に開催された。同社では、金融フルサービスBaaS(Banking as a Service)の外部提供に加え、次世代決済サービスや即時与信サービスの展開なども視野に入れる。

出発点は「おサイフケータイ」 社会に大きな変革をもたらす
ドコモの金融領域における取り組みの原点は20年以上前にさかのぼる。その最初の出発点が「おサイフケータイ」であり、携帯電話をお店のレジの端末にかざすだけで買い物が可能な世界を実現した。
携帯電話を財布のように使うという発想は、当時非常に先進的なものとして受け止められた。その後もドコモは、キャッシュレス決済の可能性をいち早く見いだしてサービスを広げてきた。2005年には「iD」、2015年には「dカード」「dポイント」を開始した。2018年には「d払い」を開始するなど、キャッシュレスサービスを広げてきた。これは生活者にとってキャッシュレスによる買い物が特別なものではなく、非常に身近なものとして日常に根づかせてきた。NTTドコモ・フィナンシャルグループ 代表取締役社長 廣井孝史氏は「ドコモの金融領域の取り組みは大きな成果であり、『iモード』と同様に社会に大きな変革をもたらしました」と話す。
ドコモの決済事業は大きく成長 デジタル金融サービスを統合的に提供へ
決済領域は順調に拡大し、dポイントクラブ会員数は約1億900万、カード会員数約1,900万、取扱高は12兆となった。d払いユーザー数は7,500万、d払いの取扱高約4兆円となっている。また、決済・ポイント利用可能カ所は744万に広がっている。このように、ドコモの決済サービスは利用者の日常生活に浸透し、ドコモの経済圏は拡大している。
今回、NTTドコモ・フィナンシャルグループが発足したことによって、ドコモSMTBネット銀行、マネックス証券、ドコモファイナンスを始めとする専門性の高い各社が参画することとなった。これにより、決済にとどまらないデジタル金融サービスを統合的に利用者に提供できる体制が整った。
顧客基盤と多様なデータが強み 「やさしい金融を、みんなの手に。」
NTTドコモ・フィナンシャルグループの強みとして、dカード GOLDとGOLD U、PLATINUMの会員数は1,200万人となる。ドコモSMTBネット銀行の1口座あたりの預金は120万、マネックス証券の1口座あたりの預かり資産は404万、そしてドコモファイナンスの平均融資残高は100万円に上っている。廣井氏は「これらはそれぞれの競合各社と比べて、高い水準になっているというふうに自負しております。このように資産形成余力のあるお客様との接点を有していることで、お客様1人当たりの金融サービスの利用をさらに拡大することが期待できるというふうに思っています」と述べる。
さらに、ドコモが持つdポイントが1億900万の顧客基盤がある。通信のほか、暮らしのサービスで培った多様なデータを保有しており、利用者のニーズを把握して、これが次なるサービスを生み出していく源泉となっている。
同社が目指す未来は「やさしい金融を、みんなの手に。」だ。その出発点になったのは、人々は金融に関する知識に不安を感じる一方、信頼できるサポート・場所を求めているからだ。2014年以降に投資を始めた生活者の「お金に関する考え方」の踏査として、「自分の金融知識は平均以上である」が22%、「お金に関することは専門家の意見やアドバイスを参考にしたい」が66%となった。また、NISAを利用していない人に対する意識調査の結果として、約8割の人が「身近に相談できる場所がない」と回答している。この2つの調査結果から、多くの人が資産形成で不安を覚えており、信頼できるサポートを求めているが、相談先を十分に見つけられていない現状がある。
同社ではこれからの金融に求められる価値として、「細やかで行き届いたリアルなコミュニケーション」と「生活者にさまざまな恩恵をもたらすテクノロジー」が重要だとした。リアルとデジタル双方の良さを融合することで、一人ひとりに合う“生活者目線の金融”を多くの人に届けたいとした。
ドコモショップで金融サービス取扱拡大 グループ各社の強みとは?
同社では、「はらう」「ためる」「ふやす」「かりる」「そなえる」という利用者のお金に対する行動を一気通貫で支援していきたいと考える。
これから求められる価値は、単に商品を提供することではなくて、リアル、デジタルの双方の良さを融合して、利用者1人1人に合う。生活者目線の金融を多くの人へ届けることだとした。
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