2026年10月23日7:40(JST)
【日本】スマートカードやセキュア素子の国際標準化団体であるGlobalPlatform(GP)は、モバイル決済で広く活用されるSecure Element(セキュアエレメント)やTEE(Trusted Execution Environment)をはじめとするセキュアコンポーネントの標準化を推進し、デジタルウォレットやデジタルIDの信頼基盤を支えています。今回の講演では、GPの役割や歴史を紐解いたうえで、最新の取り組みや技術動向などを紹介します。(2026年9月25日開催「ペイメント・セキュリティフォーラム2026 Fall」の講演より)
GlobalPlatform日本タスクフォース主査 門山隆英氏
スマホへの搭載率が日本では、ほぼ100% GPの技術を駆使したセキュアエレメント
GlobalPlatformジャパンタスクフォース日本支社主査の門山と申します。今回は、「決済の「信頼」を支えるGlobalPlatform」という題でお話をさせていただきます。
GlobalPlatform(GP)は、聞き慣れないエンティティ団体かと思われますが、日常、皆様はこのGPの技術を使われております。特に決済という観点からお話させていただきたいと思います。私の前にご登壇されたPCI SSCは標準化団体ですが、このGPも標準化団体です。
GPをひと言で申しますと、決済を含めたデジタルサービスの信頼を支えるようなセキュア技術およびエコシステムを標準化するような団体です。技術として、特にセキュアエレメント、半導体チップが皆様お使いのスマートフォンに入っております。
日本ですと、このセキュアエレメントの搭載率がほぼ100%です。この高い搭載率は非常に稀で、日本は非常に特殊なマーケットとなっています。この半導体チップ、セキュアエレメントの他にTEE、HSM(ハードウェアセキュリティモジュール)などのコア技術があり、そこの規格を作っております。さらに認証プログラムを持ち、ICカードや決済端末などの国際技術標準(EMV規格)を策定・管理するEMVCo、GSMA(世界携帯電話通信事業者協会)、パスワードレス認証基準を普及させるための団体であるFIDOなどと連携しています。
約90の企業・機関が参画するGP 世界の対面カード取引の96%支える
GlobalPlatformの歴史を紐解きますと、 1999年頃、その当時から決済がユースケースの1つでした。磁気カード、コンタクトカードから始まって、モバイルデバイス、おサイフケータイにもセキュアエレメントが入っております。
さらにそれがIoTに進化して、車載、いわゆるコネクティッドカーやSDVなどの車関係・車載関係に発展して、デジタルウォレットにも広がってきております。また、クラウドオープンソースシリコンまで広がってきており、それを支えるのがGPの技術です。
数字として、累計で1,000億のGPの技術の展開数があります。890億の出荷済みセキュアエレメントチップ、147億のGP仕様準拠の流通銀行カードなど大きな数字が並んでいますが、ここは覚えなくても構いません。覚えるとすれば1点、96%という数字です。世界の対面カード取引の96%をGPの技術が支えております。
こちらがGPの会員メンバーになりまして、約90の企業・機関が参画しております。チップベンダー、カードベンダー、モバイル、スキーム、ブランド、ラボなど、幅広いステークホルダーが参画しています。
EMVとは、クレジットカードや決済端末に搭載されるICチップの国際標準規格のことです。決済で一番重要なことは、EMV化を進めることです。EMVやNFCフォーラム(近距離無線通信技術NFCの普及促進、技術仕様の標準化、および認証制度の整備を行う非営利の国際業界団体)など物理インターフェースのところとアライアンスを組んでおります。
また、Firaコンソーシアム(超広帯域無線通信技術の普及と標準化を推進する非営利の業界団体)というのがございます。最近、JR東日本がウォークスルー改札、要は、かざさないで改札を通ります、という試みを始めております。金融業界でも、JCBやりそな銀行などが、かざさない決済を展開しようとしております。その技術として超広帯域無線通信技術(Ultra- WideBand、UWB)があります。これはNFCの次のインターフェースと称されていて、そこの技術を担っているのがFiraです。ただし、セキュリティに関しては GP で担当しております。このインターフェース定義を今、ちょうど策定しています。
GPの技術が決済でどこを支えているかというお話ですが、デジタルサービス層で決済アプリ、モバイル決済があります。見えないところで、鍵管理、認証、アテステーション、さらにコンポーネントとしてはセキュアエレメント、TEEなど、見えないところをGPが担っている構図になっております。
決済を支えるもうひとつの柱 評価・認証のプログラム提供
決済の信頼を支えるもう1つの柱が評価・認証です。仕様策定については粛々とやっております。この仕様を使ってベンダーが実装してインプリして市場に出すわけですが、その前に、ものづくりしたものが正しく作られていることを評価する仕組み、プログラムを GPが用意しております。
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