2026年10月23日8:00(JST)
【日本】クレディセゾンは、2026年10月21日、メディアブリーフィングを開き、AIを前提に、業務そのものを再設計する「CSAX戦略(Credit Saison AI Transformation)」の進捗と具体的な変革事例を紹介した。2027年度末までに2019年比で累計300万時間削減するという目標に対し、2025年9月からの約1年間で、236万2853時間の累計削減時間を達成し、進捗率が79%になるなど、大きな効果をもたらしていることを明らかにした。(コンクリエ 小島清利)

従業員体験向上から会社運営の変革 ステークホルダーAXも視野
2019年から2026年度上期累計の削減時間の内訳は、内製が170万18時間、ノーコード/ローコードが16万3673時間、AIが49万9162時間となっている。同社がAIによる改革を進める中で、次々と新たな生成AIのサービスが登場するという激しい環境の変化があった。クレディセゾン取締役(兼)専務執行役員CDO(兼)CTOの小野和俊氏は「スタートアップ的な行動様式で、複数のAIを適材適所に柔軟性を持って活用するという『マルチAI』戦略に早めに切り替えたことが、大きなポイントでした」と成功の要因を語った。
具体的には、全社員が自由に使う思考・効率化の基盤としては、ChatGPTを活用する一方で、 本部・営業スタッフの資料作成には、Google AI、Microsoft 365を使っている事務スタッフには、Microsoft Copilot、コーディングを手がけるエンジニアには、OpenAI Codex、 Claude、 Amazon Qなど用途別に使い分けている。
ChatGPT Enterpriseについては、直近の数字で、アカウント数は3,645、カスタムGPT数は1,205、MAUは96.0%になっている。Microsoft 365 Copilotのアカウント数は717、Google AIのアカウント数は1,447になっている。小野氏は「大きな効果が見込めるツールは積極的に導入するなど、今後もAIツールを拡充して、更なる効率化を図りたいです」と述べた。
今後の展望については、従業員の働く体験をAIで向上させるEmployee AXにとどまらず、AIによって、経営・管理・オペレーションなど会社運営そのものを変革するCorporate AX、エンドユーザーや取引先、仕入れ先向けのAXを含め、AIで社外の全てのステークホルダーとの体験を向上するStakeholder AXを目指す考えを示した。
仕事に詳しいベテラン社員がAI活用で新しい価値生む
この後、ベテラン社員10名を対象にした「経験×AI」プロジェクトについて、システム企画部の鈴木康平氏が説明した。このプロジェクトは、ベテランの経験・判断を、AIで組織の資産にすることが目的で、代表取締役(兼)社長執行役員COOの水野克己氏の「AIに詳しい人がAIを使うのではなく、仕事に詳しい人がAIを使うことは新しい価値に繋がる」という考えに基づいているという。

ベテラン社員10人は「会社にとって高度で重要な業務の担当者」「長年の経験で培った豊富な知見・専門性を持つ」「AIへの関心が高く、新しい業務のつくり方に挑戦できる」という3つの観点を基準に、コーポレート、プロセッシング事業部、クレジット・リース事業部、ファイナンス事業部の4部門から10人を選抜した。
プロジェクトの取り組みのポイントは、マニュアルに書かれていない「判断」を掘り起こし、可視化することにあるという。マニュアル化された作業や定型処理ではなく、その奥にある「どこを見て」「どう判断しているのか」という暗黙知の可視化に取り組んだ。最初はCSAX推進担当者が伴奏し、業務の可視化を実施。その後、ベテラン社員が主導し、可視化した知見をもとに、AIを前提とした業務の再設計に取り組んだ。
取り組みの成果として、31業務についてヒアリングし、可視化した。ベテラン社員へのヒアリングは約101時間に上り、業務の判断ポイントや対応パターンを整理し、ナレッジとして作成した。ナレッジ数は23マニュアルになった。AIで活用可能にした判断プロセスは27ファイル。ベテラン社員の業務時間を年間2040時間削減する効果が実現した。鈴木氏は「この取り組みで得た知見を仕組み化し、全社へ展開していきます」と述べた。
ベテランの経験とAIを掛け合わせて、効果を増幅させる
この後、コーポレート部門の戦略人事部と、プロセシング事業部のクレジットサービス部のベテラン社員がそれぞれの事例を紹介し、小野氏を交えて、クロストークを展開した。
このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
詳細はこちらのページからご覧下さい。
すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。





















