2012年4月12日11:00
日本経済新聞社では、2012年3月6日~9日まで、「リテールテックJAPAN」「NFC&SmartWORLD」などの7展示会を東京ビックサイトで開催した。リテールテックJAPANでは、数多くの決済端末の展示が行われたが、特に注目を集めたのはスマートフォンやタブレット端末を利用した決済ソリューションだ。
日本ポステックは、スマートフォンやタブレットに対応可能なイヤフォンジャック型磁気カードリーダ「JPT-S100」とスマートフォンアプリ「OVAL」.を紹介した。JPT-S100は、利用者が磁気カードをスライドさせて読み込んだ情報をアプリケーションで処理させることのできる入力デバイスで、読み込んだ情報はイヤフォンジャック端子よりスマートフォンなどに取り込まれるという。また、セキュリティ面では、PCI DSSの関連規格であるPCI PTS推奨のDUKPTに準拠しているそうだ。すでに、決済代行事業者のアナザーレーンなどに納入しており、国内のアクワイアラにも提案を行っているそうだ。
同社では、中国銀聯決済に対応したモバイル端末「JPT-S90」も紹介。同端末は、三井住友カードのアクワイアリングのもとラオックスや平成ハイヤーに採用されている。また、クレジットカード、NFC、バーコードリーダに加え、Androidなどを搭載した多機能POS端末「JPT-W280」も参考出展した。7インチのタッチパネルは手書きの入力が可能で、決済や検品作業など、さまざまな業務での利用を想定している。セキュリティ面では、EMVや銀聯用PINパッドの安全認証、PCI PTSにも準拠しているという。
ヒットは、スマートフォン決済に対応可能なプリンター「PriFlex Pro」を展示した。同端末はDUKPT内蔵のMSRを採用しており、カード両面の読み取りが可能なデュアルヘッドを搭載している。今後はPIN入力対応が可能な商品もリリースされる予定だ。同製品は、フライトシステムコンサルティングが三菱UFJニコスと協力して展開する「ペイメントマイスター」への採用が決定しているという。
アスタリスクは、iPhone、Androidで利用可能な店舗管理POSシステム「Salasee」、ゼウスと共同で開発したスマートフォン用決済アプリケーション「Pit Pay(ピットペイ)」の高セキュリティ版の紹介を行った。通信の暗号化に関しては3DESと独自の技術を採用。決済はPCI DSSに準拠したゼウスのサーバで行われるという。また、アスタリスクのSalaseeは、NFC&SmartWORLDで大日本印刷が紹介した「タッチでPOSレジ」でも採用されている。
スター精密は、モバイルプリンターの新製品「SM-S220」を紹介。同製品は、NTTデータのスマートフォン・タブレット端末向け新クラウドサービス「PastelPort Plus」用のプリンターとして利用されている。また、同社のモバイルプリンターはアスタリスクとゼウスが展開する「Pit Pay(ピットペイ)」の高セキュリティ版でも利用されている。
プラグラムは、大型レジスターや店舗サーバを必要としないスマートフォンを利用したPOSシステム「スマレジ」を紹介した。スマレジは、インターネット接続環境下であれば、商品データや在庫データをCSV形式でインポートすれば、すぐに利用可能となる。また、ゼウスのクレジットカード決済機能を搭載している。
日本NCRでは、スマートフォンをインジェニコのリーダに装着して利用する決済端末を紹介。日本NCRでは、同社の決済アプリケーション・ソフトウェア「NCR Retail Enterprise Solution – ePayment」が、NTTデータが提供するクレジットカードの決済サービス「PastelPort」とあわせてPA-DSS Version2.0に完全準拠した。今後はスマートフォン決済においてもPA-DSSの準拠した決済アプリケーションとしての運用を行うという。
東芝テックのブースでは、キヤノンマーケティングジャパンの接触型ICのクレジット決済が可能な薄型ハンディターミナル「AT-3300」決済の紹介を行った。また、同社のクレジットカード決済端末「「CT-4100」をトリニティのPOCKETTAと連携させたデモを行った。トリニティでは、4月から東芝テックのCT-4100を利用して中小店舗向け「Tポイント」ASPサービスを展開する予定だ。
パナソニックでは、「マルチアプリケーション対応 非接触ICカードリーダーライター」を展示。同製品は、主要部品の1チップ化により、各種データ暗号化方式(DES、TDES、AES、RSA2048ビット等)への対応を担保しつつ、マルチICリーダーライタの価格対応力を強化している。また、NTTデータのINFOX端末、日本カードネットワークのJET-S端末向けに提供している3~4万円程度の低価格なクレジット決済端末を紹介した。
グローリーは、複数の電子マネー決済に対応したマルチリーダ「PFM-10」、同社の決済センター「GACNセンター」を紹介。PFM-10は、暗証PINパットを標準で搭載。ISO15408EAL4+を取得したLSIを搭載している。また、同社センターへの接続は、電子スイッチング方式の採用により、利用サービスに対応したアプリケーションの高速切り替えを実現するという。
NECでは、ハンディタイプの電子マネー決済端末「マルチサービスターミナル/ハンディー」を紹介。同端末は、FeliCa、ISO/IEC 14443 Type A、Type Bの3規格に対応したNFCリーダライタを搭載している。また、NECインフロンティアとリリースした業務用PDA「Pocket i Plus」は、NFC対応のICカードリーダライタを搭載。FeliCaなどの非接触カードをかざすだけで、会員情報の読み取りや端末ログインといったセキュリティに利用可能だ。また、システム改ざんや許可しないプログラムの実行を防止するウィルス対策ソフト「SolidProtect for CE」などをオプションで用意している。
セイコープレシジョンでは、決済パッケージをワンパッケージで迅速に構築できる「CAPS P-QVIC」を紹介。電子マネー決済に必要なセンター機能をユーザーが開発することがないため、導入初期費用の低減が可能だ。POSとの接続はOCXが実現するため、POSアプリケーションの開発を軽減している。電子マネーはEdyとWAON、ポストペイはiDとQUICPayに対応している。
会場にはギフトカードに関連した製品・ソリューションも多数展示された。凸版印刷では、百貨店、ファッション・雑貨、くらし、エンターテイメント、飲食・食品分野のギフト・プリペイドカードを展示。富士通エフ・アイ・ピーでは、イオンのギフトカードモール「うれしーど」の陳列イメージを紹介。また、モバイル・コマース・ソリューションが提供する低価格な決済端末の展示も行った。
インコム・ジャパンでは、ギフトカード、プリペイドカードに代表される、各種「プリペイド商品」に関連する技術の提供を行っている。同社では、さまざまなギフト・プリペイドカードを陳列して紹介。AppleのiTunes Cardを3枚セットで販売するパッケージのイメージを紹介した。また、POSAカードの販売に特化した専用端末を設置してインコムと接続を行う方式を紹介。すでに東京メトロでは同方式で運用が行われているという。
modeでは、バリューデザインと連携して展開するギフト・プリペイドカードソリューションの紹介を行った。
そのほか、オムロンソフトウェアでは、同社の「OTAC決済センター」に接続するスマートフォン決済ソリューションを紹介。ジィ・シィ企画ではタイテックの決済端末を利用した決済のデモを行った。また、NFC&SmartWORLDのVerifoneのブースでは、スマートフォンを利用したNFC決済ソリューションが紹介された。
販促ソリューションとしては、三和ニューテックが、バーコードリーダライタターミナル「RITA」を紹介。RITAは、バーコードの書き換えと読み取りが可能で、磁気を利用しないため、導入コストと運用コストの低減ができるという。また、バーコードやQRコードを書き換えることでユーザーのニーズに合わせた情報サイトへの誘導が可能だ。
ゼネラルビジネスマシンは、FeliCaカードやおサイフケータイに対応したリアルポイントシステム「fsp-manager2 LivePoint」を紹介。PCにソニーのパソリを接続するだけで顧客分析や販促が可能となる。
※iPhone、iPad、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。