2012年9月3日8:00
カード会社初となる汎用型のサーバ管理型ギフトカードを発行
ギフト用途に加え、ポイントプログラムの交換景品としても活用
三井住友カードは、汎用型のサーバ管理型ギフトカード「三井住友プレミアムギフトカード」の発行を開始した。「あなたのギフトに新提案」をコンセプトとした同カードは、従来から発行する「VJAギフトカード」よりもカジュアルなギフトとして浸透を目指す。国内のクレジットカード会社が汎用性の高いプラスチックカード型ギフトカードを発行するのは初めてとなる。
3,000~3万円の5種類のカードを発行
現在の利用可能店舗は約1,000店
三井住友プレミアムギフトカードは、3,000円、5,000円、1万円、2万円、3万円の5種類の券種を発行している。利用者は、残高の範囲内であれば繰り返し何度も買い物ができ、残高の確認もWeb上で可能だ。発行手数料が1枚当たり300円(税込)。また、有効期限は、利用者の利便性を考えて、発行日から5年間とやや長めとなっている。
現在、利用可能店舗(契約加盟店)は、三越伊勢丹グループ各店(岩田屋・三越・伊勢丹・丸井今井)、天満屋百貨店各店、名鉄百貨店各店、アクタス直営各店、眼鏡市場各店、紀伊國屋書店各店、近畿日本ツーリスト各店、天満屋ハピータウン・ハピーズ各店、ビックカメラ各店など、約1,000店舗となる。
米国などで普及するプラスチックカードだが、国内でも発行企業は徐々に増え、販路も拡大することで利用者への認知も進んできた。同社では、タリーズコーヒージャパンと提携し、2011年11月2日から、国内のタリーズコーヒー各店で利用できるプリペイドカード「TULLY’S CARD(タリーズカード)」の発行を開始。汎用ギフトについても数年前から発行に向けての準備を行ってきた。
三井住友カードでは、現在全国50万店以上の加盟店で利用できる紙のギフトカード「VJAギフトカード」を発行しているが、三井住友プレミアムギフトカードにより、新たな顧客層を開拓できると考えた。よりカジュアルなギフトとして利用してもらうことで、VJAギフトカードだけではカバーできない領域を補完することに期待している。また、サーバ管理型の仕組みを利用することにより、VJAギフトカードに比べて処理コスト軽減に結び付ける方針だ。
凸版印刷/富士通エフ・アイ・ピーのギフトカードASPサービスを採用
ノベルティなど、法人への需要も見込む
将来的には、「紙の商品券を超える利用を目指していきたい」と三井住友カード 商品企画開発部 グループマネージャー 三浦浩介氏は意気込みを見せる。加盟店の開拓に向けては、百貨店ギフトカードをはじめ、大手企業への導入実績で屈指の実績を持つ凸版印刷/富士通エフ・アイ・ピーのギフトカードASPサービスを採用。汎用ギフトという性質上、利用者の多い大型店舗への広がりが求められるが、日本百貨店協会の「百貨店ギフトカード」をはじめ、大手企業との接点を持つ両社のシステムを採用することで、効率よく導入が進むと見ている。
「三井住友プレミアムギフトカードは、凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーの提供する『ギフトカードASPサービス』と同様の仕組みとなっており、すでに両社のサービスをご導入いただいている店舗は、一からシステム構築する必要は無いため、スムーズに導入していただけると思います」(三浦氏)
カードデザインは、スタンダードとカジュアルの2種類を用意した。今後は、季節に合ったデザインやキャラクター等を使った商品なども提供する考えだ。
販売は、三井住友カードのWebサイトからインターネット申し込みまたは専用ダイヤルから電話で行う。Webからの申し込み限定サービスとして、カード台紙へのメッセージ印字もしくは贈答用カードケースを提供している。さらに、三井住友カードのポイントプログラム「ワールドプレゼント」のポイントを貯めて、交換することも可能となった。
「現在、紙の商品券はポイントプログラムの人気商品の1つであり、ギフトカードについても一定量の需要が見込めると感じています。また、個人の方のギフト需要はもちろん、法人などから一括してご購入いただき、ノベルティとして取引先に配布したいというご要望もあります」(三浦氏)
法人向けに提供するカードについては、ある程度のロットが見込めれば、汎用型の特性を生かしたまま券面をカスタマイズすることが可能だ。また、VJAグループ会社等、他のカード会社へのサービス提供も検討している。
利用が伸びる年末にはプロモーションを強化
加盟店開拓を進め、早期に数十億規模の売上を目指す
カードのプロモーションは、4月から自社媒体を中心に会員向けに行っている。現在、大々的な告知は行っていないが、「ギフト需要が伸びる年末にはプロモーション展開を厚くしていきたい」と三井住友カード 商品企画開発部 シニアスタッフ 山口佳孝氏は構想を語る。
なお、三井住友プレミアムギフトカードは使い切りタイプとなっており、贈答利用という商品コンセプト上リチャージして繰り返し利用する商品性にしていないが、「ニーズがあればリチャージ型のカードの発行も考えていきたい」(三浦氏)ということだ。
販路の拡大に向けては、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどに設置されている「ギフトカードモール」での販売も視野に入れる。また、利用可能店舗のインターネット加盟店への拡大についても検討を進める方針だ。将来的には、NFC対応スマートフォンのプリペイドカードアプリにクレジットカードからチャージする展開なども考えていきたいという。
三浦氏は最後に、「利用可能店舗を早期に拡充し、早い段階で発行額を数十億規模には持っていきたい」と力強く語った。