2012年9月24日8:50
国内の多くの企業がオンラインとオフラインを連携させたサービスに取り組んでいる。今回も書籍「O2Oビジネスガイド」から、国内でO2Oに取り組む企業について簡単に紹介する。
サイバーエージェントでは、ブログや無料ゲームなどが楽しめる登録無料サービス「アメーバ」を展開しており、その中でも人気を集めるアバターコミュニティサービス「アメーバピグ」を運営している。同社では、企業とコラボレーションし、仮想空間とリアルでの展開を組み合わせたプロモーションを積極的に展開。また、「アメーバピグ」から、リアル店舗への来店を促進させる広告商品「サンクスギフト」の提供を開始した。
春光社は、FeliCaリーダを内蔵した日本初のつり革広告媒体「ストラッぴ!」を企画制作し、2012年5月21日~6月2日まで、東京メトロUライナーフレックス(広告貸切電車)車内に設置した。同社では実験の成果をもとに、東京メトロ等と協力し、ストラッぴ!を利用した広告展開を積極的に行う予定だ。
スターバックス コーヒー ジャパンの「スターバックス カード」は、2002年12月、スターバックス店舗に来店していただく人によりスマートでシンプルにスターバックスを楽しんでいただくため、リチャージ機能付きのカードとして発行を開始した。当時、国内で発行された初のセンターサーバ型のカードとなった。同社では、「My STARBUCKS」会員専用サイトから、同カードへのクレジットカードでのチャージを開始するなど、顧客の利便性向上に力を入れている。
スポットライトは、2011年9月から、スマートフォンによる共通ポイントプログラム「スマートフォンポイント(愛称:スマポ)」のサービスを運営している。利用者は、ダウンロードしたアプリに表示されている店舗に行き、アプリを操作して「チェックイン」するだけで、来店ポイントを貯めることが可能だ。
日本最大の小売グループであるセブン&アイ・ホールディングス傘下のセブンネットショッピングでは、グループ各社のサイトの集約化や共同販促の企画などを行っている。同社では、セブン-イレブン、イトーヨーカドー、そごう・西武といった店舗でWi-Fi接続によりインターネット通信を無料で利用できる「セブンスポット」の企画・開発を担当。2013年2月には約1万4,000店舗への設置を完了するが、これが実現すればリアルとネットを融合した新しいサービスがグループ横断で展開できるという。
全日本空輸(ANA)は、同社のWebサイト「ANA SKY WEB」において、ANAマイレージクラブ会員同士で共通のテーマを語って交流するプラットフォーム「Social Sky Park」を運営している。ANAでは、Social Sky Parkにより、日常から顧客との関係性を強化し、航空輸送サービスにつなげる方針だ。
1952年に設立された全日本剣道連盟では、You Tubeやフリッカー、Twitter、Facebookなどを活用した取り組みを行っている。同連盟では、ソーシャルメディアを活用した取り組みにより、剣道の魅力を国内外に配信するとともに、全日本剣道選手権の来場者を伸ばすことに成功した。
タワーレコードでは、Twitter、Facebook、mixiといったソーシャルメディアを活用し、顧客とのコミュニケーションを図ることで、総合音楽ポータルサイト「TOWER RECORDS ONLINE」や店舗への来店につなげる取り組みを行っている。すでに「K-POP」に関する情報をソーシャルメディアで配信し、成功を収めている。
大日本印刷(DNP)、NTTドコモ、丸善CHIホールディングス(丸善CHI)の共同事業会社であるトゥ・ディファクトは、2012年5月17日から、電子書籍ストア「honto」にオンライン書店「ビーケーワン(bk1)」のサービスを統合し、電子書籍と紙の書籍を販売するハイブリッド書店サービスを開始。更に6月からはジュンク堂書店、丸善、文教堂書店のサービスを連携させたハイブリッド型の新サービスを行っている。同サービスでは、ネットとリアル双方の会員基盤を統一し、共通したポイントサービスや在庫検索機能を提供し、顧客にとって質の高いサービスを提供するという。
東京急行電鉄(東急電鉄)は、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(国立情報学研究所)、一般財団法人日本情報経済社会推進協会と共同で、位置情報サービスを活用した、二子玉川の街を楽しむおトク情報を受けられる新しいモバイルサービス「ニコトコ」を2011年11月~2012年3月まで実施した。
凸版印刷の運営する「Shufoo!(シュフー)」は、国内最大級の電子チラシポータルサイトである。2012年7月31日現在、大手流通各社、地域主力スーパーなど約1,340法人、約7万8,000店舗が参加している。利用者は、PCに加え、携帯電話やデジタルテレビ、また拡大するスマートフォンやタブレット端末などさまざまなデバイスで日本全国の電子チラシを閲覧することが可能だ。
書籍「O2Oビジネスガイド」では、国内事例を数多く紹介している。