2012年11月30日8:00
中小企業向けに安価なスマートフォン決済ソリューションを提供
スマホとカードリーダの同時申し込みで初期費用が無料に
SBIペイフォーオールでは、iPhoneやAndroidなど、スマートフォンを活用した決済ソリューションの提供を開始した。加盟店は、スマートフォンを活用することで、従来のカード決済端末(CAT)等と比較し、より安価で利便性の高いサービスを提供することが可能になるという。
スマートフォンと端末との通信はBluetoothで実施
分離型によりiPhoneとAndroid双方に対応可能(※iPhone版は2012年末の対応を予定)
SBIペイフォーオールでは、2012年6月から、iPhoneやAndroidなど、スマートフォンを活用した決済ソリューションの提供を開始した。加盟店には、Woosim社の磁気リーダおよびプリンタ一体型の端末を提供し、スマートフォンと端末との通信はBluetoothで行う。また、決済センターとしては、決済代行事業者のゼウスのシステムを利用している。カードブランドは、Visa、MasterCardが利用可能で、JCB、AMEX、Dinersは準備中となっている。
SBIグループでは、世界各国でのスマートフォン決済の広がりを受け、パートナーなどと協力して2年以上前から国内の投入に向け準備を進めてきた。SBIペイフォーオール 代表取締役 池田顕史氏は、「国内でも複数の企業がスマートフォン決済ソリューションを提供していますが、商品や機能は、日本クレジット協会が制定したガイドラインに準拠する形が求められており、将来的には各社ともそれほど差はなくなると考えています。弊社がビジネスを展開していくうえでの強みは、営業力とコスト面にあります」と自信を見せる。
営業のパートナーについてはPOSシステム会社や業界に特化した代理店との提携を進めるべく協議中だ。
「弊社の決済ソリューションでは、磁気リーダ一体型のモバイルプリンタがスマートフォンから分離されていますが、ジャケット型の場合、機種依存がどうしても必要になります。その点、分離型であれば、AndroidおよびiPhone双方に対応でき、代理店も営業を行いやすいメリットがあります。すでに50機種のスマートフォンとの検証を行っており、稼働後も大きな問題は発生していません」(池田氏)
また、モバイルプリンタは通常、2万9,800円となっているが、「弊社は、携帯電話キャリアの代理店でもあるため、スマートフォンとカードリーダ付プリンタを同時に購入していただいた企業に対しては、初期費用ゼロ円で提供する予定です」と池田氏は強みを口にする。さらに、加盟店は初期費用、月額費用、トランザクションフィーは無料となっており、カード手数料と振込手数料のみでサービスを利用可能だ。
AES128bitおよびDUKPT方式のキーマネジメント方式に対応
中小企業への導入を進めCAT市場の活性化を狙う
セキュリティ面については、AES128bitおよびPCI PTS推奨の「DUKPT」方式のキーマネジメント方式に対応。なお、加盟店契約については、ゼウスと加盟店が直接契約を行い、同社はゼウスから業務委託を受けてカードプリンタの販売など、スマートフォン決済にまつわる業務を実施している。また、アクワイアリング(加盟店との契約)については、トヨタファイナンスを中心に行われるという。
同社では今後、iPadなどを利用したPOSシステムとの連携についても検討していきたいとしている。さらに、EMV対応については、アクワイアラからの要望があれば検討していく方針だ。
ターゲットとしているのは、カード決済未導入の中小規模の店舗となるが、引き合いも多数寄せられており、年間1万台の導入を目指していきたいということだ。池田氏は、「弊社としては、スマートフォン決済ソリューションを展開する同業他社が競合とは考えていません。狙うは、スマートフォン決済の認知度を高めることであり、既存市場だけでなくCATではカバーしきれていない市場にも進出していきたい」と意気込みを語った。