2012年12月18日8:00
Android版Passbook機能を搭載した「パスケット」を開発
NFCとの連携によりかざすだけでスムーズな利用が可能に
ブリリアントサービスは、2013年から、Apple社からリリースされた「Passbook」と互換性のあるAndroidアプリ「パスケット」と、同アプリを利用して店舗側がO2Oサービスを展開できる「パスケット パス管理サービス」の提供を開始する。同サービスではAndroidでのPassbook対応とNFC連携を予定している。
Facebookを利用した投稿機能を提供へ
NFCはP2Pモードの提供を予定
2012年9月から発売されているiPhone5には、Passbookがプリインストールされており、クーポンチケットをはじめ、導入企業は徐々に増えている。しかし、AndroidスマートフォンではPassbookのパスが利用できないため、すべてのユーザーができないのが現状だ。そのため、ブリリアントサービスでは、AndroidでもiPhoned同様の機能が利用できるようにしたいと考えた。
また、「現状、Passbookは話題性がありますが、まだまだ店舗側のメリットは決して高くないと考えます。そのため、Facebookを利用した投稿機能の提供を考えています。パスケットの利用ユーザーがその友達やフォロワーに告知することで、店舗側にもメリットが生まれると期待しています」とブリリアントサービス カスタマー開発部 品川開発課 梶井祐介氏は話す。
それに加え、ブリリアントサービスが先行して展開するNFC(Near Field Communication)との連携機能を提供することにより、利用者はよりスムーズにパスを使うことが可能になるという。
「Passbookはバーコードを表示する必要があるため、お年寄りや年配の方などは操作が難しく、オペレーションが滞る可能性があります。そこをNFCのPeer to Peerモードでやり取りすれば、利便性を提供できると感じています」(梶井氏)
Peer to Peerでは、利用者がアプリを立ち上げなる必要なく、店舗側が顧客のスマートフォンにタップするだけでやり取りが可能だ。梶井氏は、「例えば、NFCタグの場合、固定の値になるため、スタンプラリーなどは可能ですが、ポイントの消費など、数値をやり取りする場合はレジ入力などのオペレーションが発生します」と課題を口にする。
パスケットで想定している「パス」は、Passbookでリリースされているサービスに加え、店舗の来店スタンプや美容室などの診察券などを想定している。例えば、2回目までは来店してもらえるが、3回目になかなか来店してもらえない顧客に対し、3回目で何かをプレゼントするようなスタンプ形式のパスカードが有効であるとしている。
O2Oサービスでのコンバージョンを計れる機能を提供
NFC連携機能は2012年3月の提供を目指す
ユーザーへのアプリケーションは、無料で提供する形を想定。店舗に対しては、基本サービスは無料だが、リーダや管理画面などのプランにより月額費用をASPで徴収する予定だ。そのほか、Facebook連携を含めたSNS機能、NFCを活用した位置情報の管理、O2Oサービスにおけるマーケティング戦略などを管理画面として提供していく。NFC対応については、3月までのリリースを目指していきたいということだ。
ブリリアントサービスは、NFCラボが実施した横浜の「六角橋実証実験」、濱コン事務局(DAS)と連携した「濱コン事業」、大阪の海遊館と実施した情報配信サービス「Ikesu」など、積極的にNFCビジネスを展開している。同社では今後も新たなサービスに力を入れ、NFCビジネスで将来的に10億円の売上を目指す。
梶井氏は最後に、「ユーザーとしても財布の中に入っているカードの平均枚数が増えています。そのため、カードを1つにまとめる汎用的なサービスとして、パスケットを広めていきたいと考えています」と意気込みを語った。