2013年9月11日8:00
個別接客が可能なカートシステム「コレカゴplus」を開発
『日本中のすべてのネットショップの黒字化』を目指す
ネット通販向けシステムを提供するSAVAWAY(サバウェイ)では、ネットショップ独自のサイト(本店カード)構築や大手モールへの出店を支援している。同社では、ネットショップの業務効率化・売上拡大を支援するサービスの提供に注力。2013年7月31日からは、サイト訪問者に対し、個別接客が可能なカートシステム「コレカゴplus」の販売を開始。ネットショップでワン・トゥ・ワンの接客が可能なサービスとして、販売を強化している。
ネットショップ1店舗平均の売上の高さが強み
大手モール連携のツールをパッケージングして提供
「弊社のミッションは『日本中のすべてのネットショップの黒字化』であり、それをどう実現できるかにフォーカスしています。ショッピングカートを『接客カート』という名称にしている理由は、機能重視ではなく、ショップのファンを拡大させ、売り上げを高めるためです。弊社お客様の1店舗当たりの売上は月商400万円台となっており、売り上げの高さが特徴となっています」(SAVAWAY 代表取締役社長 中井健司氏)
SAVAWAYが提供するシステムは大きく分けて2つ。1つは「本店カート」となり、EC事業者が独自ドメインでネットショップを設けることができるサービスとなる。もう1つは「楽天市場」、「Amazon.co.jp」、「Yahoo!Shopping」、「ポンパレモール」のような大手モールに出店している店舗に対し、商品管理や受注、在庫管理などを一元して提供している。
「他のASPサービスは本店カートのみのサービスとなりますが、楽天やAmazonなど、大手モール連携のツールをパッケージングして提供しているのは弊社のみとなります」(SAVAWAY 常務取締役 松崎太氏)
顧客属性に合わせた商品紹介でリアル店舗同様の接客を実現
コレカゴplusは1年間で1,000社への導入を目指す
同社では、受注・在庫・商品を一元管理でき、本店開設カートシステムまで入ったオールインワンパッケージ「サバスタ」を提供。ネットショップは月々525円からの料金で利用可能だ。また、従来は「マルチドメインカート」というカートシステムを提供していたが、サイトに来訪した顧客ごとに画面デザインや内容を自動的に変更できる、個別接客型・接客カートシステム「コレカゴplus」を開発し、カートシステムのアーキテクチャを根本から刷新した。
これにより、ショップの利用頻度、顧客の性別、地域、嗜好等を参照して、ショップ画面のコンテンツや画像、さらにはデザインの枠組みやレイアウトなどをカスタマイズして表示させることが可能となった。加えて、スマートフォン、タブレット、PCなどマルチデバイスにも標準対応。また、楽天、Yahoo!ショッピング、Amazonなど各種モールへの出品を一元的に管理できる多店舗展開機能とも連携可能だ。
松崎氏は、「テクノロジが進化する中、2012年からコレカゴplusの開発に着手しましたが、最新の技術をつめこんだ革新的なサービスとなっています」と自信を隠さない。経営企画部 エグゼクティブパートナー 藤原弘之氏も「コレカゴplusは1,000社への導入を1年で達成させたい」と意気込みは強烈だ。コレカゴplusの価格は、商品点数500点まで(容量1GB)で初期費用 2万2,050円(税込)、月額 2万1,000円(税込)からとなる。
異なる商品コード体系を一括して登録可能
ネットとリアルを連携させた商品管理機能を提供
現状、同社を利用するネットショップの特長としては、新規にECをスタートするショップや独自ドメインのサイトをこれから設けるショップよりも、すでに多店舗展開を行っており、複数のモールに出店しながら独自ドメインのサイトを展開する企業が多い。また、大手企業に対して、専用のカートシステム、受注システムなど、カスタマイズ対応するケースも増えている。企業規模が大きければ大きいほど、基幹システムとの連携をはじめ、複雑なシステム対応が求められるが、SAVAWAYではきめ細かいサポートが売りとなっている。
例えば、受注管理では、注文量が1日1,000~2,000になると、ASPでは速度が満たせないため、適切なシステムを使って提供している。また、商品の登録においても、「正確に」「簡単に」「すぐ登録できる」ことを意識してサービスを構築できるそうだ。
「大手モールではそれぞれ商品コード体系が異なりますが、各商品を時間と手間をかけずに一括して登録できるのが特徴です」(松崎氏)
商品登録については、ネットとリアルの連携にも古くから取り組んでいる。同社ではPOSベンダーと連携し、商品データはネットとリアルのPOSデータの一体化を実現させている。例えば、同社が提供する「ストックギアプレミアム」では、在庫管理において、POSで売れた商品とネットで売れた商品を連携することが可能だ。そうした強みを生かし、受注システムだけをみても毎年30%の伸びを見せているそうだ。
「POSを導入しているリアル店舗は多店舗展開しているケースが多く、システムは個別につくり込んでいるため、カスタマイズが必要となります。また、タブレット端末等を活用したPOSも登場しており、今後は個々の連携も加速していくと思われます」(中井氏)
サバスタを利用するショップに提供する決済サービスについては、ロイヤリティマーケティング(LM)の「QCS」、ゼウスと連携している。また、QCSと接続すればLMが運営する共通ポイント「Ponta」のサービスが利用可能だ。一方、コレカゴplusやマルチドメインカートを利用する中堅以上のネットショップの場合、GMOペイメントゲートウェイ、ペイジェント、三菱UFJニコスの決済システムと連携している。さらに、後払い決済を提供するネットプロテクションズ、ニッセン、コンビニ収納の電算システムと連携している。
中井氏は、「国内ではEC化率はまだ4%。二桁までは普通に上がっていくと思います。今後も、ネットショップへの新しい販売機会や業務改善のご提案を行い、『日本のネットショップすべてを黒字化』することをミッションとして取り組んでいきたいです」と意気込みを語った。