2013年11月26日8:00
ソーシャルメディア・マーケティングの行方
総 論:ソーシャルメディアの特性への理解に基づいたマーケティングの設計が求められる
ソーシャルメディアはもはや“目新しい”メディアではなく、社会のインフラとして定着しつつある。こうした中、これをマーケティングに活用するに当たっては、それぞれのソーシャルメディアの特性への理解に基づき、さらにほかのメディアとの連携を図りながら、マーケティング全体の効果を上げていく取り組みが求められている。
社会インフラとして定着したソーシャルメディア
ソーシャルメディア・マーケティング、つまり、ソーシャルメディアのマーケティング活用は、試行錯誤の段階から、マーケティング施策の選択肢のひとつとして一定の成果が求められる段階へと進みつつある。
弊誌ではソーシャルメディアの黎明期からたびたびそのマーケティング活用のあり方を検証してきた。例えば、2011年3月号では「使いこなそう!ソーシャルメディア」という特集を組み、その総論では「ソーシャルメディアは生活者と企業の関係性を大きく変革するパワーを持つメディアであり、今後、インフラとして定着する可能性も大きい。そのマーケティング活用においては、何よりも生活者と同じ地平に立って、価値観や喜びを共有していこうとする姿勢が求められるであろう」「『習うより慣れよ』の精神でトライアルを開始する姿勢が求められる」などと述べている。
つまり当時、ソーシャルメディアは“目新しい”ものであり、そのマーケティング活用についても成功への方程式が確立していなかったため、試行錯誤の中で“解”を求めていくしかないとしていたのだが、昨今ではソーシャルメディアは社会のインフラとして定着してきた。そのような状況下でマーケティング施策の一環としてソーシャルメディア・マーケティングを展開する以上、マーケティング設計全体の中のソーシャルメディアの役割を明確化し、その役割をどのように果たしているかを継続的に検証していくことは、もはや当然のこととなっているのだ。
しかしこれまで、ソーシャルメディア・マーケティングの効果は、例えばTwitterアカウントのフォロワー数やFacebookページの「いいね!」数など、収益に直結しない指標を中心に語られることが多く、必ずしもほかのマーケティング施策と同様のROIを軸とした効果検証の方法が確立されているとは言えない。
今回の特集では、ソーシャルメディアのマーケティング活用に積極的に取り組む企業のケーススタディを中心に、ソーシャルメディア・マーケティングの今後の方向性を探った。