2014年4月8日15:50
セイコーソリューションズは、FeliCa認証性能を持ち、リアルタイムマストランザクション処理に特化したサーバ「Q-CORE(キューコア)」を利用したシンクライアント決済ソリューションを開発し、2014年8月より提供を開始すると発表した。
昨今、決済方法の多様化に対し、セキュリティ、拡張性、運用コスト負担などの観点からシンクライアント導入のニーズが高まっている。しかし、セイコーソリューションズによると、シンクライアント方式の導入に対しては、「高いトランザクション処理能力を担保するには大規模な投資が必要となる」「外部サービスを利用する場合は既存のシステム・端末機器が活かせないなど制約が多い」などの声があるそうだ。
同社では、QUADRACのQ-COREをシンクライアント決済ソリューションに採用することで、トランザクションが集中するような環境でもコンパクトでリーズナブルな投資でのシンクライアントシステム構築が可能になるという。決済システムの接続にはNTTデータの「CAFIS」、日本カードネットワークの「CARDNET」などの対外接続で実績のある「CAPS」の技術を用いることで、既存システム・端末機器の流用が可能だ。
具体的には、FeliCa認証機能を標準搭載しリアルタイムマストランザクション処理に特化したQ-CORE上に電子マネー、EMV認証、磁気クレジット等の処理機能をソリューションとして実装する。端末はIC・磁気読み取りとUI(ユーザインターフェイス)機能のみとなり、処理はセンター側で行う。これにより端末の機能簡素化と低価格化、APのセンター一元管理が実現するという。また、端末でのデータ保持リスクから解放され、セキュリティも担保できる。さらに、保有するデータを自動レプリケーションすることで、シンプルな可用構成が可能となる。セイコーソリューションズでは、EMV(L2)やJCCA認定を取得予定となっている。
その結果、今まで導入に踏み切れなかった大規模から中規模の加盟店でもシンクライアントの導入が容易となる。特に、複数の電子マネーやクレジット決済を包含したシステムの自社構築や、シンクライアント決済サービスを提供する決済事業者などの導入が進むと期待している。
なお、「Q-CORE」は、2013年8月に発売されたリアルタイムマストランザクションに特化したサーバ製品となる。記憶装置は1テラバイトのSSD(Solid State Drive)を備え、決済データ、顧客情報、カード認証など、運用形態に合わせたDB設計が可能となっている。また、安価にFeliCa電子マネー導入が行えるそうだ。