2014年11月7日7:05ポイントを活用し社員のモチベーションアップを実現可能な「サンクスコレクト」新たな法人向けインセンティブとして5年後に600社の採用を目指す
ジェイティービー(JTB)は、2014年10月から、企業の業績アップを目的としたインセンティブポイントサービス「サンクスコレクト」のサービスを開始した。ポイントを活用することで、法人の業績アップへとつなげる新しい報奨サービスとなるそうだ。
企業の従業員、契約社員、販売代理店などにポイント付与
インセンティブ市場規模は約600億円
サンクスコレクトは、従業員・契約社員(パート・アルバイト)・販売代理店などの社員の頑張った行動に対して、ポイントを提供するサービスとなり、従業員のモチベーション向上や定着率のアップ、代理店の売上向上、自社の顧客へのロイヤリティアップなどを実現できるという。
JTBグループでは、対法人向けにインセンティブ事業を旅行、宿泊などを通して行ってきた。昨今、個人の価値観は多様化しているが、「サンクスコレクト」により、商品はもちろん、個人の趣味・嗜好に合った旅行、宿泊等を中心としたサービスに還元可能だ。
「弊社の市場調査によると、旅行を含むインセンティブ市場は、2014年度見込みで約61,410百万(うち、インセンティブポイントサービス市場は2,780百万円)、今後も前年比130%程度の進捗を予測しており十分ビジネスチャンスはあると考えました」(JTBベネフィット 企画開発本部 インセンティブ営業課 岩本慎一課長)
従来、報奨・表彰制度の評価対象として、数字で表れる営業勤務の人はイメージが湧きやすかったが、管理業務などバックアップ業務や事務職、また非正規社員の評価は難しい部分もあった。「サンクスコレクト」では、契約社員を含むすべての従業員に対して、日々の業績評価からプロセス評価まで視点を当てて、モチベーションアップや定着率アップを図ることができる。また、代理店の報奨制度としてもサンクスコレクトは活用可能だ。JTBベネフィット 企画開発本部 コンテンツ開発部 田中充部長は、「一年に一回の報償ではなく、日々の行動プロセスに対してポイントが付与されるのもメリットですと笑顔を見せる。
「リリース後、引き合いが多いのは非正規社員に対してのインセンティブです。例えば、コールセンターなど、定着率に課題がある企業から、新しく制度設計したいというニーズをいただいています」(岩本氏)
ポイント付与対象者に専用のポイント交換サイトを開設
ポイント制度は各社個別に設定可能
「サンクスコレクト」では、ポイント付与対象者に専用のポイント交換サイトを開設。対象者は、Web画面上で、ポイント数の確認・管理や交換商品検索が可能だ。スマートフォンでの利用も可能で交換商品の購入・発送などはJTBが行うことで企業側の管理業務負担が軽減でき、継続したサービス運用が安定的に行える。すべての社員がポイントを貯める楽しみ、使う喜びを実感してもらうことにより、モチベーションアップを狙う。交換商品の最低価格は1,800ポイント、最高は600万ポイントとなっている。また、交換商品は約1万点用意しており、企業のニーズに応じてカスタマイズした商品も選択できるようにした。ただ、換金性が高い商品券については交換商品から除外している。なお、ポイントの有効期限は1カ月から5年間まで選択可能だ。
ポイント制度については、1社1社、個別に設定できるという。企業は、社員のモチベーションを高めるために、どんな目標設定をして、どんなことを実現した場合、何ポイント付与するのかを定めることができる。ポイント原資の負担は、1ポイント=1円の非課税設定となり、システム利用料は100人以下で3万円(税別)、101人以上は5万円(税別)からとなっている。
全国1,500人以上のJTB販売網を構築
JTBならではのサービスも提供へ
すでに、競合企業には先行してBtoB向けのインセンティブポイントプログラムを提供しているところもあるが、「JTBのBtoBを中心とした事業会社は9つあり、北海道から沖縄まで網羅する販売ネットワーク・スタッフの多さは、弊社の大きな強みです」と岩本氏は自信を見せる。加えて、「JTBならではのおもてなしの気持ち、ホスピタリティとして、今後はオリジナルのラッピングで商品をお届けするなど、プラスαのサービスも検討しています。また、同じ旅行でもオーダーメイド、ビジネスクラスの利用、リムジンで行くサービスなどを投入したいですね」と岩本氏は今後の構想を口にする。
当面の目標としては、「5年後に600社を獲得し、インセンティブ事業のリーディングカンパニーを目指したいです。また、国内で実績を積んだ後はグローバル展開にもトライしていきたいですね」と岩本氏は語気を強めた。