2015年2月4日8:00オンラインプリペイドカードのビジネス利用が加速
アメリカやカナダ、オーストラリア、イギリスなどでは、ビジネスユーズのプリペイドカードとして従来から従業員や顧客・クライアントに対するインセンティブや報奨、特典としてギフトカードが用いられてきた。また、VisaやMasterCardのブランドデビットカードが登場してから、小切手に代わる賃金の支払いに、“Pay Rollカード”と呼ばれるオープンループのオンラインプリペイドカードが利用されるようになった。
一方、クレジットカード分野では1990の年代半ばまでは法人や専門職の事業者向けのクレジットカードであるコマーシャルカードは、主として企業のエグゼクティブや医者や弁護士などの専門職を対象とした出張や接待用のT&Eカードが中心で、アメリカンエキスプレスやダイナースクラブなどのT&Eカード会社が主流であった。
1990年代行半以降は、Visa、MasterCardがT&E分野のサービスを強化し、出張や接待用のカードのほか、広範なカード加盟店のネットワークを活かして文具、パソコン関連、雑誌などの定期講読、各種公共料金などの企業の小口経費支出に用いられる「パーチェシングカード」(購買カード)や主として給油や車両のメンテナンスなど車の経費支出に用いられる「フリートカード」といった企業の小口経費支出を対象とした新しいコンセプトのコマーシャルカードを導入し、コマーシャルカード分野での巻き返しを図っている。
こうしたクレジットカードで従来行われていた企業や専門職の出張や接待の経費のほか、小口経費の支出や商業用の自動車の給油や車両のメンテナンスなど車の経費支出に、従来のクレジットカードに代わってオンラインプリペイドカードを用いる動きが出ている。
特にこうした動きを加速しているのは、出張におけるオンライントラベルの利用や備品購入などの各種経費支出においてeコマースの利用が増え、オンライン決済が増加している中、クレジットカードと同様にオンライン決済に対応が可能なオンラインプリペイドカードへ注目が集まっている。また、経費支出の管理や従業員の不正対策などを目的にオンラインプリペイドカードの導入やクレジットカードベースのコマーシャルカードからオンラインプリペイドカードによるビジネスプリペイドカードの導入が行われている。
「世界のプリペイドカード市場要覧」では、加速するオンラインプリペイドカードのビジネスカードの動向について紹介している。