2015年3月24日8:34■ネクスト
住宅情報サイト「HOME’S」を運営するネクストがスマホ決済サービスを提供導入費用・月額費用が不要で、手数料2.4%でサービスを提供
住宅情報サイト「HOME’S」を運営するネクストは、「HOME’S」加盟の不動産会社向けに、家賃クレジットカード決済サービスの提供を開始した。導入費用・月額費用が不要なことに加え、決済手数料を低く抑えることによって、加盟店および不動産オーナーがクレジットカード決済を導入しやすい環境を整え、競争力の強化につなげる。
不動産業界はクレジット決済の導入が遅れる
ロイヤルゲートと協力し業界に広がるサービスを構築
全国約534万件(2014年12月度平均)と、総掲載物件数NO.1(※フジサンケイビジネスアイ調べ)を誇る不動産情報サイト「HOME’S」を運営するネクストは、2015年1月19日より、スマートフォン決済プラットフォームを提供するロイヤルゲートとの提携により、「HOME’S」加盟の賃貸不動産会社向けに、クレジットカード決済サービスの提供を開始した。
賃貸不動産の入居手数料や家賃はある程度高額なため、不動産会社や不動産オーナーにとっての決済手数料の負担が大きく、これがネックとなってこれまで不動産業界では、他業界と比較してクレジットカード決済の導入が遅れていた。家賃の支払い方法は銀行振込や引き落しが一般的で、振込手数料は入居者が負担しているケースが多い。
一方、賃貸物件を検討する際の条件として、「クレジットカード決済ができること」を挙げる入居検討者は4割に上っているという。少子高齢化による世帯数の減少などにより、賃貸住宅の空き家率は現在、13.5%にまで上昇しており、10年後には20%になるという試算もある。このような借り手優位の市場にあって、ニーズに応える物件づくりが求められている中、不動産業界にとって、ニーズと実態のギャップを埋めることが大きな課題となっている。
そこでネクストは、加盟店の業務支援の一環として、クレジットカード決済サービスの提供を開始した。加盟店および不動産オーナーがクレジットカード決済を導入しやすいよう、導入費用・月額費用、決済手数料を最小限に抑えていることが特徴となっている。
「借り手市場で競争が厳しくなる中、家賃を下げるのではなく、クレジットカード決済が利用できるというメリットを付加して物件の価値を上げ、競争力を高めていただけると考えています」(ネクスト 執行役員 新規事業本部長 松坂維大氏)
加盟店の好反応を得て
サービスは順調に滑り出し
このサービスでは、iPhoneやiPadに、ロイヤルゲートが提供する「PAYGATE」のカードリーダー端末と決済処理センターを利用してクレジットカード決済を行う仕組み。ほとんどの加盟店では、お客様への物件案内にすでにiPad等を活用しているため、新たな設備投資は不要だ。さらに、通常は有料の導入費用(決済リーダー、プリンター、審査登録料)と月額費用がすべて無料で提供されるため、加盟店はイニシャルコストなしでこのサービスを導入できる。
決済はクレジットカード主要5ブランド(Visa、MasterCardはロイヤルゲート社、JCB、American Express、DinersはJCB社とそれぞれ加盟契約が必要※所定の審査あり)に対応しており、入居者はこれらに対応した手持ちのクレジットカードでの決済が可能だ。ロイヤルゲート 代表取締役CEO 梅村圭司氏は、「カード会社にとっても不動産は魅力的な業界であり、クレジットカード決済が広がることに期待を寄せています。プリンターまで含めてこの値段でご提供できるのは、メリットが大きいです」と説明する。
決済手数料は、直接契約となるJCB、American Express、Dinersを除いては、業界最低水準の2.4%(VisaとMasterCardの場合)と、手数料を負担することになる不動産オーナーに対しても交渉しやすい設定が実現した。松坂氏は、「手数料を考えたときに、既存のCAT端末は10万円近くかかってしまいますが、今回のスキームは魅力が大きいと思います」と期待する。
加盟店へは、毎年全国5カ所で開催しているカンファレンス「HOME’S EXPO」の会場で、サービスについて説明。その上で各店にFAXで案内したところ、約1万3千店の加盟店のうち約1%からレスポンスがあったといい、サービスは順調な滑り出しとなった。目指すは、全加盟店への導入だ。梅村氏は、「弊社が訴求する以上に、業界№1の企業が推進するので浸透は早いです」と口にする。
ネクストでは、今後「HOME’S」にクレジットカード決済可能な物件特集ページを設けたり、カード決済可能な物件がわかりやすいようにアイコンを付けたりして、入居検討者への認知拡大にも力を入れていく。