2015年9月16日7:26
日本でも2013年頃から、ユーザーのクレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなどのペイメントカードの決済状況に応じて、効果的に加盟店による特典サービスを当該顧客に対しオファー(提案)することにより、当該クレジットカードの付加価値を高めるマーケティング手法である“CLO”(Card Linked Offers)が話題となっている。
米国では2008年頃から(Card Linked Offers)が展開されており、数多くの金融機関が提供していると言われているが、日本ではクレディセゾン、セディナ、ジェーシービーといったカード会社が取り組んでいる。
CLOは、プロセッサー、ペイメントネットワーク、イシュアのいずれかと関連付けられ、銀行やカード発行会社のオンラインバンキングやモバイルバンキング、モバイル財布アプリなどを通じて特定のペイメントカードにリンクし、特典をカードホルダーに提供するプログラムである。
決済連動マーケティング市場要覧によると、こうしたペイメントカードにリンクしたマーケティングは、CLOとか「Card Linked Marketing(CLM)」と呼ばれ、クレジットカードで購入した商品の購買履歴などに基づいてユーザーの趣味や好みに合わせた商品やサービスに関する割引クーポン、便益などの特典をタイムリーに提供しているという。また、ナビゲーション情報やクレジットカード決済のビッグデータを活用し、カード加盟店にクレジットカードなどのペイメントカードのホルダーであるユーザーを“送客”や“店舗集客”を図るマーケティングサポートサービスが有効なソリューションとしてアメリカやカナダ、イギリスなどで導入されている。
CLOのカテゴリは2つ
CLOプログラムには、大きく分けて「イシュアCLOプログラム」と「オープンCLOプログラム」の2つのカテゴリがある。アメリカのイシュアCLOは、イシュアベースのCLOプログラムで、First DataやTSYSなどのプロセッサーやVisaやMasterCardなどのペイメントカードネットワーク、アメリカン・エキスプレスやディスカバーといったペイメントネットワークでありカード発行会社、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなどのペイメントカード発行会社のいずれかと関連付けられ、銀行やカード発行会社のオンラインバンキングやモバイルバンキング、モバイル財布アプリなどを通じて特定のペイメントカードにリンクし、特典をカードホルダーに提供するプログラムである。
たとえば、イシュアCLOのサービスプロバイダーであるアメリカのベンダーには、Cardliyticsのほか、Edo Interactive、 CARTERA、Free Monee、Fiserv、Keep Local Rewardsなどがある。
一方、非イシュアCLOプログラムでアクワイアラーのCLOプログラムでもあるオープンCLOプログラムは、ウェブサイトやモバイル財布アプリ、ソーシャルメディア、オンラインロケーションサービスなどを通じ、特定のイシュアに限定されないプログラムである。オープンCLOプログラムのサービスプロバイダーであるベンダーには、プロセッサーのFirst DataとタイアップしたCardspringのほか、Coupons.com やBingなどがある。
なお、CLOはCard Linked Offers(カード連動特典)の略であるが、MFR(Merchant Funded Rewards)カード加盟店負担特典とも呼ばれ、ターゲット広告のプラットフォームともいえるそうだ。