ドトールコーヒーが非接触ICチップ採用のドトールコーヒー専用プリペイドカードを発行

2015年10月15日8:00

セディナと連携し、販促に役立つサービスを展開へ

ドトールコーヒーは、セディナと提携し、非接触ICカードを搭載したドトールコーヒー専用プリペイドカード「ドトール バリューカード」の取り扱いを2015年5月29日より順次開始し、10月より全国のドトールコーヒーショップでの取り扱いを開始した。同社では、2016年2月までに100万枚の発行を目指し、その後もさまざまな販促活動を展開するという。

非接触ICカードでレジのスピードアップを実現
先行店では20%の利用を超える店舗も

ドトール バリューカードは、年会費無料で、カードは1枚300円で購入できる。利用者は、1,000円以上、1,000円単位でチャージすることが可能だ。また、チャージした金額の範囲内で、飲食やドトールコーヒーショップで販売している全商品を購入できる。さらに、1回のチャージ金額が2,000円以上の場合、チャージ金額の5%分がボーナスポイントとして付与される。そのほか、チャージだけではなく、ドトールコーヒーショップでの商品の購入金額に対しても、1%分がボーナスポイントとして付与されるため、ドトールコーヒーショップを頻繁に利用する顧客にとって、大変お得なカードとなっている。

セディナと提携し発行する「ドトール・バリューカード」
セディナと提携し発行する「ドトール・バリューカード」

ドトール バリューカードは、非接触ICチップを搭載しているが、「これはカードを発行する上で極めて重要なこととなります」とドトール・日レスホールディングス 広報IR部長 関根一博氏は説明する。ドトールコーヒーショップでは、レジが混雑することも珍しくなく、それが販売機会の損失につながるケースもあったが、カードの利用者が増えれば、わずらわしい小銭の用意が不要になり、1人あたりの決済時間が短縮するとみている。

また、当然、CRMの展開にもプラスに働くと考える。カードを発行することにより、リピート率の向上につながるだけではなく、顧客と継続的なコミュニケーションを図ることができるそうだ。カード情報を活用すれば、どのような顧客が、何曜日のどの時間帯に来店するかがわかり、各会員に対してのピンポイントな販促アプローチが打てるようになる。

また、今回の導入に伴い、従来のポイントカードの新規加入並びにドリンクチケットの販売を終了。ポイントカードとドリンクチケットは、利用率は高かったものの、購入店舗でしか利用できなかったそうだ。その点、全店舗で利用できるカードの発行により、顧客の利便性向上はもちろん、横断的なマーケティングが展開できるそうだ。

すでに8月末の時点で発行枚数は12万枚を突破。先行してサービスを導入したテスト店では全売り上げに占めるカードの利用率が10%を超えており、中には20%を超えているところもあるそうだ。当初はカードの発行に重きを置いているため、さらに会員数が増加し、販促を行えば、その数は伸びるとみている。

また、会員は、ドトール バリューカード会員マイページ「マイドトール」よりカードの残高と利用履歴を照会することが可能だ。「マイドトール」の利用には事前の登録が必要だが、登録すればクレジットチャージが可能となり、さらに年間の購入金額に応じて、会員ランクがアップするサービスの適用を受けることができる。会員ランクがアップすると、1回のチャージ金額が2,000円以上の場合、チャージ金額の最大10%分がボーナスポイントとして付与されるそうだ。

カードの残高と利用履歴はドトール バリューカード会員マイページ「マイドトール」より照会可能
カードの残高と利用履歴はドトール バリューカード会員マイページ「マイドトール」より照会可能

会員登録者にはさまざまな特典を提供
2016年2月までに100万枚の発行を目指す

今回、カード会社のセディナの協力を得てカードを発行したのは、幅広い販促を展開したかったからだという。セディナが保有しているリソースを活用することで、単体では実現できなかったさまざまな施策が可能となる。また、個人情報を保有するリスクも回避できる点も大きかったそうだ。

ドトールコーヒーではコンビニエンスストアや量販店へ卸売販売なども行っているが、ドトール バリューカードを活用したキャンペーンなどの展開も可能であるという。また、福利厚生や景品など、これまでドトールコーヒーを利用してこなかった人を店舗に呼び込むための施策も想定している。関根氏は、「まずは2016年2月までに100万枚の発行を行いますが、その後は第二、第三の展開を考えています」と口にする。施策については、非公表ながらも、すでに次のシナリオは描かれているそうだ。

なお、10月からは、ドトール バリューカードに加えて、交通系の電子マネーの決済が可能になった。多くの生活者が手にしている交通系ICカードで決済が可能になることで、さらにレジスピードアップにつながると期待している。

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