2015年12月11日8:51
Spire Paymentsは、欧州のPOS(Point of Sales)市場で3位にランクされている企業であり、mPOS(モバイルPOS)については同市場でもっとも出荷されているという。同社の強みについて、Spire Payments CEO&President Kazem Aminaee氏に話を聞いた。
EMEAのmPOSで30%のシェアを誇る
世界20カ国でサービスを展開
――まずは、Spire Payments様についてお聞かせください。
4年前にハイパーコム(Hypercom)からブランドを一新し、当時はイギリス、アイルランド、スペイン、ポーランドなど、ヨーロッパを中心に展開していました。2013年に新製品を投入し、それと同時に展開する国を広げ、欧州やアフリカ、中東を中心にデバイスを提供しています。2012年には、EMVのチップ&PIN、PCI PTSに対応した世界で最初のデバイスを出しました。現在、mPOSだけで会社の20%の収益を得ています。
――現在の貴社のグローバルマーケットでの位置づけについてはいかがでしょうか?
2013年から2014年にかけて、EMEA(欧州および中東、アフリカ)のmPOSのマーケットシェアの3分の1を獲得しています。イギリスでは、WorldPayという欧州最大級の会社が初めて採用しました。PCI PTS4.0、MasterCard Contactless(MasterCard PayPass)、Visa payWave、American Expressの非接触決済に対応した端末を世界で最初に投入しました。現在、20カ国でサービスを展開しており、英国、フランス、ドイツ、ロシア、インド、コロンビア、スカンジナビア、チェコ、オランダ、イラン、中国などとなっています。
3社のみがMasterCardのコンタクトレス対応の基準に準拠
「SPm2」はコスト的にもアドバンテージ
――市場には、数多くのmPOS製品がありますが、貴社の強みについてお聞かせください。
2014年にVisaやMasterCardから、mPOSに関する規格が具体化されました。その後、MasterCardが2016年1月以降は、欧州でPOS端末のコンタクトレス決済を受け入れる必要があるという基準を具体化しました(MasterCardの発表)。mPOSは数多く市場に投入されていますが、その規格に準拠している製品はまだ3社(ほかはIngenico、PAX)しかありません。
現在のmPOSのプロダクトは2つあり、毎月1万5,000台以上、出荷しています。売り上げに関しても毎月更新しています。「SPm2」はコスト的にもアドバンテージとなっており、小規模な小売店も導入可能で、ソフトウェア開発も多くの対応が可能です。キーマネジメント、キーロギング、P2PE(Point to Point Encryption)もすべて包含しています。
新興市場でのmPOS導入が進む
各市場にローカライズされた製品を投入可能
――現在、展開を強化する国についてはいかがでしょうか?
mPOSでは、新興市場への展開を強化しています。その理由としては、ローコストで展開でき、従来のPOSに比べてアドバンテージとなっています。「SPM2」の中国でのパートナーは、同国で二番目に大きいPOSプロバイダであるニューランド(Newland)が担っており、50万台以上を出荷しています。また、インドは2万台以上がタクシーで採用されています。インドでは、インディアン・オーガシーズ・バンク( Indian Overseas bank)とビジリペイ(Bijlipay)が展開しています。中南米では、VisaとMasterCardが強く、タイアップしています。特にMasterCardは新興市場でmPOSを進めています。
中国では30%以上の市場占有率がありますが、ニューランドのブランド名で展開されています。また、中南米は30%のシェアになっています。弊社がmPOSで他社をリードする理由は、デザインやAPIなど、あらゆる市場の要求に柔軟に対応できているからです。各国で要求が異なる中、それに対応できる力を持っています。
日本市場での展開は?
2018年までに300ミリオンユーロ達成が目標に
――日本市場についてはいかがでしょうか? また、今後の貴社の目標についてお聞かせください。
まずは、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)での展開が先となると思います。日本は考えていないわけではありませんが、特殊な市場であり、規格の要求が厳しく、販売する前に時間と費用が必要となります。また、フランスとドイツも同じような市場となっています。すでにブラジルではローカルパートナーとの連携が生まれており、課題を解決できる日本のローカルパートナーが見つけられれば、考えられます。
具体的な収益についてはお話しできませんが、2018年までに300ミリオンユーロを達成させたいです。