2016年2月5日18:22
Visa Inc.は、米国時間の2016年2月4日、「Visaデベロッパー(Visa Developer)」の立ち上げを発表した。これは、小売決済ネットワークのシステムを、決済処理や商取引に革新性を与えるオープンプラットフォームへと移行するものだ。これにより、ソフトウェア・アプリケーションのデベロッパーは、Visaが提供する決済関連の技術、製品、サービスに自由にアクセスできるようになる。これは 60 年近くに及ぶ Visaの歴史の中で初めてのことであるという。
購入、支払、領収の手段としてインターネット接続デバイスを利用する消費者や加盟店が増加するなか、新開発のVisaデベロッパープラットフォームは、金融機関、加盟店、テクノロジー企業、さらには新興企業にとって、消費者や加盟店からの要求に応えるために役立つために設計されている。今回、カード保有者の身元の確認や検証、個人間決済、Visaチェックアウト(Visa Checkout)のような店舗やオンライン上での決済サービス、通貨の両替、消費者取引におけるアラート機能など、Visaの最も使用されているペイメントテクノロジーやサービスの一部へのアクセスが可能になる。Visa は来年にむけて決済機能にとどまらないサービスへのアクセスの提供を計画している。
大手金融機関、テクノロジー企業、新興企業によって、新しい Visaデベロッパープラットフォーム ベータ版の試験運用が数カ月間実施され、すでに多くの企業がVisaのテクノロジーを使用し、アプリケーションの試作品を創り出しているという。試験運用に参加した企業は、キャピタル・ワン(Capital One)、カナダ帝国商業銀行(CIBC)、エミレーツNBD(Emirates NBD)、ナショナル・オーストラリア銀行(National Australia Bank)、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)、トロント・ドミニオン銀行(TD Bank)、ノヴァ・スコシア銀行(Scotiabank)、テレコミュニケーション・システムズ(TSYS)、USバンク(U.S. Bank)、VenueNext など。
Visaデベロッパープラットフォームの構築は、グローバル・プロダクトおよびテクノロジー・チームが数年にわたって推進してきたプロジェクトとなる。同チームにより、Visa決済用製品やサービスが、ソフトウェアやアプリケーションをデベロッパー構築する際の標準技術であるアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)に変換されている。
Visa のグローバルなデベロッパープログラムの主な特徴は、①Visaが提供する決済のための膨大な製品やサービスを容易に検索することができる、世界中からアクセス可能なデベロッパー向けポータルサイト、②Visaの決済製品や機能の一部で使用されている、何百というVisa APIやソフトウェア開発キットにアクセスできるオープンプラットフォーム、③アプリケーション・デベロッパーにプラグ&プレイ環境やVisaの保有するテストデータへのアクセスを提供する、統合された試験用サンドボックス環境、④サンフランシスコ、ドバイ、シンガポール、マイアミ、サンパウロといった主要マーケットのアプリケーション・デベロッパーとの提携や協力の推進のために設計された、Visa デベロッパー・エンゲージメント・センター(Visa Developer engagement centers)――となっている。