2016年3月15日23:14
ハウインターナショナルは、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と、ブロックチェーン技術を活用した金融サービスの共同研究(実証実験)を開始すると発表した。
同共同研究では、ハウインターナショナルがプロトタイプ・アプリケーションの開発を担当し、FFGがポイント交換や各種決済サービスなどの新たな金融サービスへの適用可能性に向けた検証を行う。FFGは、「FinTech」領域に挑戦する試みを強化しており、同共同研究の成果を、同社が構築を進めている金融サービスプラットフォーム「iBank(仮称)」などの取り組みへ応用することを検討している。
なお、同共同研究のプロトタイプ・アプリケーションは、ハウインターナショナルが同日にベータ版をリリースするブロックチェーン実証環境「Chaintope(チェーントープ)」を利用して構築する。
昨今ブロックチェーン技術の検証・実証ニーズが高まっているが、Bitcoin などのパブリックチェーンを対象とする場合、環境構築や仕様上のさまざまな要因により、本来の検証・実証に集中しにくい状況にあったという。Chaintope はこうした問題をクリアできるブロックチェーン実証環境であり、Amazon Web Services(AWS)上に構築されているそうだ。
コンソールからワンクリックでノードの起動や接続の管理ができるため、数十秒で多数のノードからなる実証環境を構築することができるそうだ。Chaintope内で管理されるノードは Bitcoinなどのパブリックチェーンのソフトウェアで構成されているが、インターネットからは分離された閉鎖的なネットワーク上にある。このため、仮想通貨の準備などは不要であり、テストで生成したトランザクションが永遠にパブリックチェーン上に保持されてしまう問題も回避することができる。なお、外部のアプリケーションからは、Chaintopeが提供するAPIやプロキシを経由することでこれらのノードにアクセス可能だ。
Chaintopeでは任意のタイミングでブロックを生成できるため、トランザクション確定の待ち時間がゼロとなる上、通常パブリックチェーン内では難しい実験(ブロックチェーンの枝分かれや51%攻撃など)を実行することも可能となる。各ノードの構成およびブロックチェーン情報をスナップショット保存できる機能や、ノードの可視化の機能と組み合わせることにより、検証・実証の精度向上をサポートするそうだ。