2016年9月21日18:08
デジタルセキュリティベンダーのジェムアルトは、最新の「Breach Level Index」の結果を発表した。それによると、2016 年上半期には前年下半期と比較して、データ漏洩は15%増加したことが明らかになった。2016 年上半期には世界で974 件のデータ漏洩が報告され、漏洩したデータ件数は5億5,400万件を超えたという。前年下半期にはデータ漏洩事件は844件で、漏洩したデータは4億2,400万件となった。また、2016年上半期に発生したデータ漏洩事件のうち52%では、事件報道時に漏洩したデータの件数が発表されなかった。
Breach Level Index は、世界中のデータ漏洩情報を収集し、盗まれたデータの件数、データの種類、漏洩源、データがどのように利用されたのか、データが暗号化されていたかどうか、といった複数の要因を考慮してデータ漏洩の深刻度を数値化している。Breach Level Indexは発生したデータ漏洩に対して、深刻度を判断してスコアをつけ、深刻度ランキングを公開しており、「比較的安全な」データ漏洩と「危険な」大規模データ漏洩とを見極めることができる。
Breach Level Index によると、公開情報に基づきデータ漏洩の評価を開始した2013年以来、48億件以上のデータが漏洩している。2016年上半期には、なりすましが漏洩したデータの種類のトップとなり、データ漏洩全体の64%を占め、前年下半期の53%から増加した。データ漏洩源では、外部の悪意あるユーザーが首位となり、データ漏洩全体の69%を占め、前年下半期の56%から増加している。
業種別に見ると、医療業界がデータ漏洩事件27%を占め、データ漏洩件数は前年下半期より25%増加となった。しかしながら、漏洩したデータ件数では、前年下半期の12%に対して、わずか5%を占めたにすぎなかった。政府機関はデータ漏洩全体の14%で前年下半期と同水準だったたが、漏洩したデータ件数では57%を占めた。また、金融サービスはデータ漏洩全体の12%を占め、前年下半期より4%減少したが、漏洩したデータ件数ではわずか2%だった。小売業はデータ漏洩の11%を占め、前年下半期より6%減少し、漏洩したデータ件数では3%を占めた。教育機関はデータ漏洩の11%を占め、漏洩したデータ件数の1%にも満たない結果となった。その他の業種はデータ漏洩の16%を占め、漏洩したデータ件数は16%だった。
報告されたデータ漏洩事例について、地域別にみると北米(79%)、欧州(9%)、アジア(8%)がトップ3 となっている。