2017年3月21日8:15
現金決済の比率を下げることで、顧客の利便性向上を図る
滋賀県を中心に近畿、北陸、東海エリアで149店舗を展開するスーパーマーケットチェーンの平和堂は、自社型電子マネー「HOPマネー」決済サービスを行っている。「HOPマネー機能付HOPポイントカード」は、あらかじめチャージ(入金)した金額内で買い物に利用することができ、小銭のやり取りが不要となるため、レジ精算時にスムーズな支払いが可能だ。発行開始の経緯を、平和堂に説明してもらった。
約200万枚のHOPマネー機能付HOPポイントカードを発行
HOPポイントをHOPマネーにチャージ可能に
平和堂では、HOPマネー機能付HOPポイントカードの新規発行および既存カードからの切替を、2016年4月1日より平和堂全店で開始。HOPマネー決済サービスは5月下旬から一部の店舗でサービスを開始し、7月初旬より平和堂全店での利用をスタートしている。
「HOPマネー機能付HOPポイントカード」は、無料で平和堂各店くらしのサービスセンター・サービスカウンターにおいて即時発行される。カードには10万円までチャージでき、1回あたりのチャージ上限額は4万9,000円となる。チャージ方法は2種類あり、まず平和堂直営売場レジ(セルフレジを除く)、くらしのサービスセンター・サービスカウンターおよび店内に設置されている専用チャージ機で、現金1,000円単位で入金できる。また、新たなサービスとしてHOPポイントをHOPマネーにチャージ(500ポイントごと)することも可能だ。
2017年1月20日現在、HOPカードは3種類のカード合計で約355万枚を発行しているが、そのうち約200万枚がHOPマネー付カードとなっている。なお、HOPカードとは、「HOPポイントカード(ポイント加点のみ)」、「HOP VISAカード(Visaのクレジット決済機能付き)」、「HOP Edyカード(楽天Edy機能付き)」の3種類の総称となっている。
平和堂では、「HOPマネー付き HOPポイントカード」発行の経緯として、「現金決済の比率を下げることで、お客様の利便性向上(煩わしい小銭のやり取りがない)とレジ精算業務の効率化(結果としてお客様をお待たせしない)を実現するため、自社マネー付きカードの発行に至りました」と説明する。自社型電子マネーを発行することにより、会員向け特典(追加ポイント)等も含めたサービス設計の自由度が高くなる。また、自社でサービスを管理する体制構築などは必要だが、利用手数料などのランニングコストを抑えることができる部分も大きい。
来店頻度・購買金額の高かった会員に好評
数年後に売上対比30%を目指す
カード残高の有効期限は5年間と長めに設定されているが、「従来のポイント会員規約上、カードの利用(ポイント加点等)が5年間1度もなかった会員様は退会処理をさせていただいており、そのタイミングにマネー残高の有効期限を合わせております」とのこと。
サービス開始後の利用者の反応として、「ご利用の会員様からは、小銭のやり取りがなくなり便利になったというお褒めを頂戴しております」と成果を挙げる。特に、従来から来店頻度・購買金額の高かった会員からHOPマネーの利用が進んでいる。
一方で、未だHOPマネーを利用していない会員もいるため、サービス内容の認知向上に引き続き取り組む方針だ。平和堂では、HOPマネー利用会員向けの追加特典等を今後検討し、より多くの人に利用してもらえるサービスにすることで、HOPマネーで数年後に売上対比30%を目標としている。