2019年3月28日8:30
コーナン商事と楽天は、2019年3月27日に記者説明会を開催し、コーナン商事が運営する「ホームセンターコーナン」、「ホームストック」および「コーナンPRO」の全346店において、共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」の提供を4月1日より開始すると発表した。また、コーナン商事では、独自のプリペイド型電子マネー「コーナンPay」を導入することも公表された。「コーナンPay」では、通常のカードに加え、スマホアプリでも決済が可能だ。
「楽天ポイントカード」導入で若年層の取り込みに期待
オンラインに加え、オフラインでもパートナーシップ強化
コーナン商事は、地域密着型の「ホームセンターコーナン」、職人向けの「コーナンPRO」に加え、インターネットで買い物ができる「コーナンeショップ」を展開している。同社では近畿ではドミナント展開を行っており、関東にも積極的に出店。2025年には5,000億円の売り上げを目指しているが、課題の1つが顧客層の拡大であり、「特に若い層の取り込みである」と、コーナン商事 代表取締役社長 疋田 直太郎氏は話す。そのため、特に若い人にアピールできる楽天と提携することとなった。
楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史氏は、「ポイント提携だけではなく、楽天グループのすべてを総合的に使ってお役に立ちたい」と語った。すでにコーナン商事では、2017年8月より「コーナンeショップ楽天市場」を出店しているが、オンラインに加えて、オフラインでもパートナーシップを強化していきたいとした。
券面に楽天の公式キャラクター「お買いものパンダ」を採用
データマーケティングへの活用を想定
コーナン商事では、200円の支払いにつき「楽天ポイント」を1ポイント付与する。また、1ポイント=1円として利用可能だ。コーナン各店舗では、通常の商品のほかに高単価のリフォームや動物病院などといったサービスもポイントの対象となり、高額な買い物でもお得にポイントが付与される。
楽天 執行役員 ポイントパートナー事業部 ジェネラルマネージャー 笠原和彦氏によると、すでにテストで数店舗で楽天ポイントカードを展開しているが、非常によい成果が表れているという。また、「楽天ポイントカード」加盟店では初めてとなる楽天の公式キャラクター「お買いものパンダ」を採用した、オリジナルデザインの「コーナン楽天ポイントカード」をコーナン各店で無料配布する。
コーナン商事では、「楽天ポイントカード」導入により、新規顧客の流入、既存顧客の客単価・来店頻度のアップを目指す。また、顧客動向分析、商品購買分析、販売効果分析、出店候補地調査といった、データマーケティングへの活用を想定している。
独自電子マネー「コーナンPay」導入目的は?
「コーナンアプリ」での支払いも可能に
コーナン商事では、独自の取り組みとして、プリペイド型電子マネー「コーナンPay」も導入する。「コーナンPay」は、チャージ式電子マネーで、「ホームセンターコーナン」、「ホームストック」および「コーナンPRO」で利用可能だ。チャージ金額1%相当のコーナンPay残高をプレゼント(1,000円チャージごとに10円)。入金単位は1,000円で、1回当たり4万9,000円、チャージ総額上限20万円となる。チャージした金額の有効期限は、最終チャージ、または最終利用から3年間。
コーナン商事 執行役員 販売促進部長 山本健太朗氏は、「コーナンPay」の導入目的として、①決済方法の選択肢の拡充や利便性向上、②レジ精算時間の短縮や店舗オペレーション改善、③固定客化促進、という3点を挙げた。
また、スマートフォンの「コーナンアプリ」をリニューアル。「コーナンアプリ」では、アプリ画面で「コーナンPay」による支払い、残高・履歴照会、オンラインチャージが可能だ。また、「楽天ポイントカード」の表示に加え、クーポンやイベント情報を確認したり、マップによる現在地検索などが行える。
なお、「コーナンPay」の提供に向けては、バリューデザインとネオスが提供するクラウド型電子マネー管理システムおよびスマートフォン決済サービス基盤「ValueWallet」を利用している。
コーナン商事では、「楽天ポイントカード」および「コーナンPay」の展開により、顧客のより一層の利便性と満足度向上、企業の生産性の向上、効率化を今後も目指していきたいとしている。