2019年4月9日8:00
旅行者が快適に旅行ができる決済環境づくりを目指す
北海道運輸局および北海道運輸局室蘭運輸支局では、観光地の消費拡大、交通利便性の向上、医療費の未払い対策の分野で、新たな決済手法の導入に向けた実証事業を実施している。
小樽市では消費拡大に向けて実験
登別市・ニセコ町で医療費支払いを検証
現在、北海道の訪日外国人観光客は増加しており、中国からの旅行者が約25%を占めている。北海道運輸局では、各地域にヒアリングをする中で、外国人観光客の受け入れ環境に伴い、「Alipay」や「WeChat Pay」といったQR決済の導入について課題があったという。また、観光庁の実証事業のテーマの1つに、決済環境の整備が入っていた。そうした中、北海道運輸局では、「訪日外国人旅行者受け入れ環境整備緊急対策事業に関わる調査」業務(新たな決済手法の導入に向けた実証事業)として、QRコード決済を「観光地」「乗合バス」「医療機関」で導入し、ストレス無く快適に旅行ができる決済環境づくりを行うことで、導入効果を検証する実証事業を実施している。
小樽市では、水族館、美術館、商業施設といった47施設で観光地の消費拡大に関する実証実験を実施。また、登別市・ニセコ町では、医療費の未払い対策に関する実証実験を行っている。いずれも2月28日までで、協力企業は、ANAデジタルゲートとなり、AlipayとWeChat Payの双方が利用可能だ。導入に向けては、決済事業者と店舗・施設が直接契約を結び、決済手数料は必要となるが、実機を貸与している。
北海道運輸局観光部観光企画課 田中洋之氏は、「観光地の実験は好感触で、土産店以外の水族館やスキー場も含め、思ったより使われている店舗もあります。ただ、店舗によって導入後の成果が異なるため、実験後は結果の分析を行っていきたいです」とした。また、医療費の未払い対策への効果検証の実験では、スノーシーズンに向けて、徐々に利用が伸びているという。
なお、実験は2月28日で終了となるが、その後の継続は各店舗・施設に委ねることになる。また、具体的な検証は実験後に行うが、中間ヒアリングの感触としては、後述の道南バスでの実験も含め、価値のある取り組みであったと感じている。なお、新年度以降は、道内各地に展開していければと考えているそうだ。