2019年5月17日8:00
NTTドコモは、2019年5月16日に、「2019夏 新サービス・新商品発表会」を開催したが、スマホ決済サービス「d払い」に3つの機能を追加すると発表した。
今年度1,000万ダウンロードを目指す
2021年度末には200万箇所まで拡大を視野に
NTTドコモでは、2018年4月25日より、スマートフォンに表示させたバーコードなどを使って、店舗での買い物代金を毎月の携帯電話料金と合算して支払いでき、さらに「dポイント」が貯まる・使える「d払い」を提供している。アプリのダウンロード数は、2019年5月に500万を突破。今年度には、1,000万ダウンロードを目指している。また、2019年4月の決済・ポイント利用箇所数は100万箇所だが、2021年度末には200万箇所まで増やしていきたいとした。
また、貯まったdポイントで買い物をした利用総額は年1,600億ポイント、1,000ポイント以上の利用者は1700万人、1万ポイント以上は500万人となり、53%の人がd払いでdポイントを利用して決済している。
今回、NTTドコモでは、チャージや送金、dポイントを送付可能な「ウォレット」機能、d払い加盟店が提供するサービスが利用できる「d払い ミニアプリ」機能、利用者が加盟店の掲示するQRコードを読み取ることで支払いを行う「読み取る」決済機能(MPM方式)の3つの機能を追加すると発表した。
「ドコモ口座」の機能をd払いアプリ上で実現
ミニアプリで事前注文・決済が可能に
ウォレット機能は、2019年9月に提供予定だ。ドコモのウォレットサービス「ドコモ口座」のチャージや送金といった機能を、d払いアプリ上で利用可能だ。また、他社回線の利用者でも同様に利用可能だ。
ミニアプリでは、加盟店が自社アプリで提供する事前注文、事前決済などのさまざまなサービスをd払いアプリ上で利用できるようにする。例えば、ファーストフード店のアプリでは、利用者が店舗を選び、事前に注文・決済が可能だ。店舗では、商品の準備が整ったのちd払いアプリに通知、その後店頭で受け取りを行う。また、タクシーの配車サービスのアプリでは、位置情報などを利用してタクシーを指定した場所まで呼び出し、乗車後は決済もシームレスに行われるという。同サービスは、ローソン、マツモトキヨシ、エディオン、JapanTaxi、マクドナルドで2019年秋以降、順次提供開始予定だ。
6月末から提供する「読み取る」決済機能では、利用者が加盟店の掲示するQRコードを読み取ることで決済が可能になる。これまでは、「見せる決済」のみを提供してきたが、店舗の選択肢が増えることとなる。同サービスは、加盟店にとってPOS端末などの機器が不要で導入が可能なため、小規模加盟店にも訴求できる。また、デジタルガレージが提供するマルチQRコード決済ソリューション「クラウドペイ」に対応しているため、複数のペイメントサービスを1つのQRコードで提供可能だ。NTTドコモでは、全国のドコモ販売代理店の営業リソースを活用し、さらなる加盟店拡大を目指すという。
クラウドペイもJPQRのガイドラインに将来的に対応?
「お支払い確認」画面で不正を未然に防ぐ
なお、デジタルガレージのクラウドペイでは、d払い、Alipay、WeChatPay、メルペイ、LINE Payへ順次対応を予定している。特徴として、1つのQRコードを店頭に設置するのみで、複数のQR・バーコード決済サービスを一括で導入することができる。すでに他のサービスでも1つのコードで複数のQR決済に対応できるサービスはあるが、デジタルガレージでは、5つのサービスに対応予定な点を強調した。また、他のサービスでは、アプリを立ち上げ、QRコードを読み取った後に、金額を入力してから、さらに決済種別を選択するサービスあるが、スキャン後の決済種別の選択は必要ないとしている。
デジタルガレージによると、国内のコード決済の統一仕様である「JPQR」の発表に先駆ける形で「クラウドペイ」の開発を進めたため、現状では「コード決済に関する統一技術仕様ガイドライン」には対応していないというが、将来的に対応していく方向だとしている(※LINE PayやNTTドコモもJPQRとは別の統一規格の実現に向けてではないという見解を示している)。
なお、契約に関してはデジタルガレージが包括加盟店契約すれば、複数の決済事業者とのやりとりをせずに、一元化できるとした。また、デジタルガレージでは、「クラウドペイ」の加盟店専用アプリにおいて、すべてのQR・バーコード決済サービスの取引管理機能を提供しているため、決済状況の確認やキャンセルをアプリ上で完結できるメリットは大きいとした。
昨今では、中国でMPM方式のQRコードの上に、不正なコードを貼られる事件が起こっているが、NTTドコモのブース担当者は、支払い時に「お支払い確認」画面を表示させることで、ユーザーが当該加盟店で購入したのかを把握できることで、不正を未然に防止できるとした。