2019年7月31日8:41
総務省は、2019年7月31日、都内で「統一QR『JPQR』普及事業 広報大使任命式」を開催した。同イベントでは、吉本興業所属の「銀シャリ」を広報大使に任命し、「銀シャリ」と実施地域4県の地域サポーターとなる4組の「住みます芸人」による同事業のPR動画も公開された。
令和元年は「JPQR元年」に
イベントでは、まず総務省 統轄審議官 秋本芳徳氏が登壇した。秋本氏は、NHKの世論調査を引き合いに出し、平成30年間で88%が良くなったと回答した「情報通信環境」を挙げた。情報通信環境は、どうせ普及しないという指摘を受けたことが過去2回あったという。1回目は「携帯電話」で、NTTドコモがNTTから分離した平成4年にNTTの社員が指摘。日本は先進諸国で公衆電話が普及しており、固定電話よりも金額が高かったことが理由だ。また、「電子マネー」に関しても、旧大蔵省の銀行局から普及しないと指摘を受けた。日本は先進諸国の中で最もATMが普及している国であり、お金が必要ならばATMから引き出せば事足りると思われていたからだ。秋本氏は、「この2つのご指摘は見事に外れました。どうせ普及しない、できっこないという指摘を受けても制度上、実務上できるようにしておくほうがいい」と話す。
日本では諸外国に比べて、政府発表のキャッシュレス化比率は低い数字となっているが、キャッシュレス決済が進まない理由の1つに手数料が高いことが挙げられている。また、QRコードが乱立すると、加盟店はどの手段を導入したらいいかわからないという悩みが生まれる。さらに、業務が複雑かつ負担になる。その課題解決に向け、総務省では一般社団法人キャッシュレス推進協議会の策定する統一QRコード・バーコード(JPQR)を面的に導入し、地域における加盟店開拓業務プロセス等の検証と、低廉な手数料率でのサービス提供等によるキャッシュレス化の進展の検証を4つの地域(岩手県、長野県、和歌山県、福岡県の県全域)にて実施する。令和元年は5G元年といわれているが、JPQR元年として、情報通信環境を整え、働き方を変えていきたいとした。
4県の地域サポーターに4組の「住みます芸人」
秋本氏の挨拶に続き、銀シャリの鰻和弘さん、橋本直さんが登壇。広報大使の任命式が行われた。また、実施地域4県の地域サポーターとなる4組の「住みます芸人」も登場。岩手県はアンダーエイジ(熊谷由輔さん、結城多聞さん)、長野県はこてつ(北村智さん、河合武俊さん)、和歌山県はわんだーらんど(まことフィッシングさん、たにさかさん)、福岡県はぶんぶん丸(池田義之さん、山田直樹さん)が務める。
なお、JPQRは、2019年8月1日午前3時において、「au PAY」「銀行Pay(OKIPay、はまPay、ゆうちょPay、YOKA!Pay)」「メルペイ」「LINE Pay」「楽天ペイ(アプリ決済)」「りそなウォレット」のコード決済サービスがJPQR(利用者提示型・バーコード)への準拠を行う。8月1日以降も、各コード決済サービスにおいて準備が整い次第JPQRへの移行が予定されており、年内にさらに6サービスがJPQRに準拠する予定だという。なお、総務省の普及事業は、8月1日~2020年1月31日まで行われる予定だ。