2019年12月17日8:00
KDDI、三菱商事、ロイヤリティ マーケティング(LM)、ローソンは、2019年12月16日に記者説明会を開催し、KDDIが付与する「au WALLETポイント」をLMの「Pontaポイント」に統一するなど、ネットとリアルを融合した新たな消費体験の創造に向けた取り組みを行うと発表した。
ネットとリアルを融合した新たな消費体験を創造へ
年間ポイント付与額は2,000億超に
今回の4社の取り組みでは、通信・決済、ポイント、リアル店舗の連携による新たな価値提案を行う。業界の垣根を越えて、デジタル技術やネットに強い企業が連携して、エコシステムを構築する。
ローソンとLMの株主である三菱商事のコンシューマー産業グループ CEO 京谷 裕氏は、「持続的に消費者に求められる価値を提供していくためには、業界の垣根を越えて、デジタル技術やネットワーク分野に強いパートナー手を組んで、ネットとリアルが融合した新たな消費体験を創造するアライアンス、エコシステムを構築すべきだと考えました」と説明する。
KDDIのau PAYはポイント保有会員2,800万超、モバイル口座数2,200万強を有している。一方、LMのPontaは、累計会員数9,200万超、提携店舗数22万、提携社・ブランド数は126社184ブランドのネットワークを構築している。今回の連携により、KDDIの「au WALLETポイント」をLMの「Pontaポイント」に統一し、au PAYでPontaポイントが貯まり、使えるサービスが2020年5月以降にスタートする予定だ。決済に加え、Pontaポイントにより口座が活性化されるため、「今回の提携は重要です」とKDDI 代表取締役社長 髙橋誠氏は話す。同提携により、1億超の会員基盤が誕生。また、モバイル口座数は2,200万超、年間ポイント付与額は2,000億超となる。
国内最大級のポイント経済圏が実現?
次世代CVSサービスをPontaを核にしながら追及
ロイヤリティ マーケティング 代表取締役社長 長谷川剛氏は、「国内最大級のポイント経済圏が実現できます」と提携の強みを口にする。LMのPontaは「便利、お得、楽しい」をコンセプトに共通ポイント事業を展開。KDDIとの連携により、圧倒的にお得で、便利なユーザー体験を提供できるとした。これに加えて、無駄のない消費可能な社会、持続可能な社会の実現に近づくという。Pontaは、2020年3月に10周年を迎える。来年は、新サービスに加え、さまざまなキャンペーンを計画しているそうだ。長谷川氏は、「最も利用されるポイントの世界を構築していきたい」と意気込みを語った。
ローソンは年間来店者41億人、国内1万4,600店舗を有する。共通ポイントとしてPontaを導入しているが、今回の連携により、これまでよりも深く協業が展開できるとした。ローソンでは、同社のリアルでのエンタメデータ、アッパーデータ、バリューデータと、KDDIの通信分野でのネット、デジタルデータを掛け合わせ、ポイント・決済などの金融サービスにより、3次元でデータを活用していけるとした。ローソン 代表取締役社長 竹増貞信氏は、「令和時代の次世代CVSサービスをPontaを核にしながら追及していきたい」と話す。
次世代コンビニサービスを展開へ
ローソンでの「d払い」、LMの「dポイント」との相互交換の今後は?
髙橋氏は、1億超の会員基盤を活用し、ネットとリアルのデータ融合の構想も説明した。たとえば、顧客に寄り添った新しい消費体験として、「個人別趣味・嗜好レコメンド」「エリア動態情報・5Gテクノロジー」、「在庫管理5Gテクノロジー」を挙げた。また、顧客情報を使うことにより、今時点での情報をマッチングできるため、食品ロスの低減にもつなげることができる。
さらに、X-Techのテクノロジーを使いながら体験価値を提供することで、「モバイルオーダー」、「認証・決済」、「ロボティクス無人受け取り機」などによるストレスフリーなコンビニ体験を実現できるとしている。
そのほか、令和の時代の社会インフラとして、「個人活動量計測デバイス」、「個人別趣味嗜好レコメンド」、「購買・食事データ管理」などに役立てていく考えだ。
なお、ローソンではNTTドコモの「d払い」等の支払いも可能だが、他のスマホ決済も含めたキャンペーンは今後も積極的に展開してもらいたいとした。また、LMでは現在、NTTドコモの「dポイント」と相互交換サービスを行っているが、今後の展開についての決定事項はないとした。