2020年10月15日17:47
KDDI、南予広域連携観光交流推進協議会、JR四国、全日本空輸(ANA)、伊予鉄バス、宇和島自動車、瀬戸内ブランドコーポレーション、一般社団法人愛媛県バス協会、石崎汽船は、愛媛県南予地域の公共交通の利便性向上や移動のシームレス化による観光客の満足度の向上を目的とした観光型MaaSの実証実験を2020年10月29日~12月31日の間で行うと発表した。
参加9団体は、 同実証実験の実施に向けて「南予観光型MaaS実証実験協議会」を設立し、 南予地域の交通機関をおトクに利用できる「えひめ いやしの南予デジタルフリーパス」を発売し、アプリダウンロードや会員登録、クレジットカード登録が不要な観光型MaaSサービスを提供する。同実証実験により、利用者はよりシームレスな観光を体験できるとしている。
南予地域は、日本一細長い佐田岬半島、リアス式海岸の足摺宇和海国立公園など風光明媚な景観を誇るという。一方、南予地域の交通機関は、クレジットカードや交通系ICカードへの対応状況が統一されていないことや、経路検索ですべての交通機関が検索されないことなどの課題がある。また、2018年の西日本豪雨では、南予地域の主要産業である農業や商業を中心に大きな被害が出るなど、観光客の増加による域内産業の回復も課題となっている。
このような状況の中、関係する自治体、交通機関、通信会社、広域連携団体が集まり、観光型MaaSを実現することで、周遊しやすい観光地づくりを行い、観光客の増加、域内消費額の向上による地域の活性化を目指す。
具体的には、南予地域のJR、伊予鉄グループの路線バス、宇和島自動車の路線バスが乗り放題となるデジタルフリーパスによる観光型MaaS実証を実施。駅やバス車内にあるNFCタグやQRコードにスマホをかざすだけで乗り降りができるシームレスな取り組みとなる。また、クラウドシステムを使うことにより、アプリのダウンロード・個人情報を入力する会員登録が不要だ。かつ、 登録済みの決済方法を使えば新たにクレジットカードの入力も不要という特徴がある。
さらに、ANAが提供する「ANAアプリ」上の「空港アクセスナビ」との連携により、観光型MaaSのデジタルチケットが購入、表示できる。
また、南予地域のJRの駅にあるポスターにかざすと、 周辺観光地や飲食店の情報が閲覧でき、 現在地から観光地、 飲食店までのルート案内を行える。
利用者は、交通機関の乗車、降車、観光施設の入場ごとにポイントが貯まり、ポイントは観光施設の入場券と引き換えができるなど、観光地を巡れば巡るほど、おトクになるそうだ。また、旅行中に災害情報、 緊急情報を容易に取得できる機能や、 旅行保険に加入可能な機能を有している。
各社の役割として、KDDI株式会社が全体企画、協議会の幹事、観光型MaaSプラットフォームの提供、南予広域連携観光交流推進協議会が南予9市町村との連携、域内観光施設との連携、JR四国が「えひめ いやしの南予デジタルフリーパス」の造成、ANAがANAアプリ上の空港アクセスナビとの連携、域内宿泊施設との連携、GoToキャンペーンとの連携、伊予鉄バスが松山空港リムジンバス、 松山観光港リムジンバスとの連携、宇和島自動車が域内路線バスとの連携、瀬戸内ブランドコーポレーションがプロモーション活動、一般社団法人愛媛県バス協会が域内交通事業者との調整、石崎汽船株式会社がスーパージェット(船舶)との連携となる。また、国土交通省 四国運輸局が実証実験への助言(協議会へのオブザーバー参加)、カカクコムが飲食店情報の連携、au損害保険株式会社が旅行保険等の提供を行う。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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