2010年12月17日8:10
フェリカネットワークスが「かざすフォルダ」の提供を開始(下)
ピットモットよりも独自性を維持しつつ
アプリ開発や維持コストを削減
同社ではおサイフケータイ Webプラグインをベースにした「かざすフォルダ」のサービスも開始した。かざすフォルダとはおサイフケータイWebプラグインを利用する際に、その下のFeliCaチップのメモリ領域を会員証やクーポンなどの汎用的なサービスとして利用する仕組みだ。
同社では3年前から共用アプリ「ピットモット」のサービスを展開しており、チケット用途などで利用されていたが、「導入事業者様のアプリ開発や維持コストを抑えることは可能でしたが他のサービスとの共用利用が前提のため、各々のサービス事業者様のサービスのデザイン的な自由度には一部制限があった」(隠岐氏)という。
かざすフォルダの場合、インターフェースそのものはサービス提供を行うコンテンツプロバイダー(CP)の画面になるため、独自性を維持しつつ、アプリ開発や維持コストを抑えながら、ブラウザベースのサービスを展開することが可能となった。CPはかざすフォルダを利用することにより、日本マクドナルドが展開するかざすクーポンと同様の独自インターフェースでサービス展開できるという。
フェリカネットワークスはかざすフォルダやおサイフケータイ Webプラグインの提供を行い、ポイント、会員証、クーポンといったASPの機能はベンダーが自社のサービスとしてCPに提案している。そのため、料金体系に関してはパートナーに委ねることになる。現時点でのパートナーとしてはNTTドコモ、ユラス、トランスコスモスの3社が名を連ねる。
「イオンかざすクーポン」などで採用
3年後に2,000万人の会員が目標
例えば、ポイントサービスの場合、会員はCPのマイページで入会登録完了後、ポイントカードをケータイへダウンロードし、店舗でおサイフケータイをかざすだけで会員認証が可能となる。また、マイページ上で残高の確認が可能だ。
すでにイオンマーケティングがおサイフケータイをレジの専用端末機にかざすだけで割引クーポンなどを受けられる「イオンかざすクーポン」で採用。NTTドコモのドコモプレミアムクラブがローソンの店舗を利用して行ったキャンペーンでも採用された。
「従来の専用アプリの際は、会員登録の時点でかなりのパーセンテージの方が入会を断念されていましたが、かざすフォルダを利用することでブラウザベースの簡単な画面遷移が可能になります。更に、おサイフケータイ Webプラグインはおサイフケータイ対応Android携帯電話やNTTドコモが発売する今冬のおサイフケータイにプリインストールされており、登録・入会時の障壁を取り除くことが可能です」(フェリカネットワークス 企画部 プラットフォーム企画課長 中村 裕氏)
同社ではかざすフォルダを利用する会員として3年後に2,000万人を目標としている。当初、販売のターゲットは中堅事業者を想定していたが、大手からの引き合いも多いという。