2011年6月27日8:47
大日本印刷(DNP)、DNP子会社のエムズコミュニケイト(エムズ)、DNPと資本・業務提携している主婦の友社の3社は、資生堂の協力を得て、女性誌に掲載された広告の効果について調査を行った。同結果によると、女性向けの新商品発売時には、情報高感度層がよく読む女性誌に広告を出稿すると、低コストでありながらも、高い広告効果を得られる可能性があることなどがわかったという。
インターネットによるアンケート調査で、主婦の友社ネットアンケートクラブRay登録会員を「女性誌発売前(1週間前)で広告を見ていないグループ1」、「女性誌発売後(1週間後)で広告を見た人を含むグループ2」に分けて、広告該当商品に対する意識・行動を調査した。また、各グループを対象に情報感度を調べて、情報高感度層を抽出し、情報高感度層についてのデータも分析した。
その結果、自ら情報を積極的に集め、情報認知力・発信力が高いと言われる情報高感度層において、商品広告を見ていないグループ1よりも、女性誌発売後商品広告を見た人を含むグループ2の方が、商品イメージが上昇し、ブランドの好感度がアップしたという。特に「しっとり感」「品質がよい」「効き目がある」などのイメージが高まり、情報高感度層には広告のメッセージがよく理解されることがわかった。また、情報高感度層に特定せず全層で同様の調査を行ったところ、女性誌発売の前後に関係なく、商品イメージの大きな変化は見られなかったそうだ。
情報高感度層において、女性誌発売後商品広告を見た人を含むグループ2では、「購入したい」と回答した割合がグループ1に比べて8%増と高くなり、より多くの購買行動につながることが期待できる結果となった。一方で、全層では女性誌発売の前後に関係なく、購買意欲の大きな変化は見られなかったという。
広告については、純広告と編集タイアップ広告で上昇するイメージ項目に違いがあり、「しっとり感」などの商品そのもののイメージについては純広告での値が大きく上昇し、「効き目がある」などの商品の効果・効能イメージについては、記事広告での値が大きく上昇した。
3社では、女性誌購読者に対して、商品情報の確認度合い、情報発信の有無、自分の生活・個性を大切にするかなど、情報感度に関する調査を行い、高感度層の比率についての調査も行った。その結果、女性誌購読者の高感度層比率は、一般女性の高感度層比率の約1.5倍であり、女性誌は高い確率で高感度層に情報を届けられる媒体であることがわかった。
DNP、エムズは2011年度中に、雑誌広告効果測定や媒体資料作成のサービス提供を行う予定となっている。また、雑誌や雑誌広告に関わる業界のニーズを汲み取り、出版社、広告主、広告代理店のさらなる協力を得て、アンケートシステムやモニター母集団の構築を検討するという。