2011年8月12日14:05
大日本印刷(DNP)は、2011年8月12日、地域ごとに居住者の属性を分析し、新聞折込チラシやダイレクトメール(DM)の最適な配布エリアを郵便番号単位で抽出するエリアプロモーション支援システム「エリアダッシュ」を開発したと発表した。
エリアダッシュは、国勢調査統計データの年齢や性別に加えて、居住特性や家族構成など約60の属性を独自に組み合わせ、生活者を60のクラスターに分類している。「子育てを終えた団塊世代層」、「子育て世代家族」、「都市型シングル・カップル」などの7つの大分類があり、その下で「マンション住まいの子育て層」や「都会のセレブ」などに細分し、各クラスターを地図上に色別で表示している。また、プロモーションのターゲットとなる年齢と性別を設定すると、ターゲットが多く属するクラスターが上位から順に抽出・表示される。同クラスターを選択すると、郵便番号単位で、ターゲットが多く居住する地域が順に抽出・表示されるという。さらに、「住居形態」や「職種」など、追加でターゲットの条件を設定して、クラスターや地域を抽出することもできる。
このように年齢や性別などの基本属性と、居住形態や家族構成などの属性を組み合わせることで、ターゲットに合わせた適切なエリアが設定できるよう、対象の絞込みの精度を向上させた。
さらに、エリアプロモーションの実施計画立案利用できる「ベーシックレポート」「ターゲット像レポート」の2種類のレポートを提供する。
ベーシックレポートは、ターゲットの性別・年代(5歳刻み)と地域を設定することにより、ターゲットが多く属する順にクラスターが抽出され、その地域が郵便番号単位で地図上に表示される。ターゲット像レポートは、新聞折込チラシやDMによるプロモーションが多い、衣料品・保険・スポーツクラブ・住宅購入・通販(化粧品)・通販(健康グッズ)の6業態を対象としたレポートである。地域とターゲット像に関するキーワードを設定すると、ターゲットが多く属する上位クラスターとその地域が郵便番号単位で抽出され、地図上に表示される。
企業は、これらのレポートにより、新聞折込チラシやDMなどの配布エリアと配布部数の最適化を図ることができる。例えば、全国に多くの会員をもつ企業が、エリアプロモーションを行いたい企業からの依頼を受けて自社の会員向けにDMを配布する「会員向け郵送DMサービス」において、その会員属性情報とエリアダッシュを組み合わせることで、効率的に対象者を絞り込むことが可能だ。また、プロモーション実施後のレスポンスをクラスターごとに集計し、分析・検証することで、次回のエリアプロモーションの精度を向上させることもできるという。
今後DNPは、エリアプロモーションを積極的に展開する企業に向けてエリアダッシュを提供し、2013年度までにチラシや販促物などの新規受注として8億円の売上を目指す。