2011年8月25日8:05
今、求められる会員“不眠化”戦略
会員の休眠・離反防止は、顧客接点での日々のコミュニケーションから
会員制サービスでは、新規会員獲得に多大なマーケティング・コストが費やされているが、せっかく獲得した会員も継続して利用してもらわなければ利益にはつながらない。しかし、稼働率向上は一朝一夕に達成できるものではなく、多くの企業が試行錯誤を続けている。今回の特集では、会員を“眠らせない”マーケティング施策のあり方を探った。
“古くて新しい” 通販企業の店舗展開 会員の稼動率向上は容易に達成できるものではないが、それでも新規会員を獲得することやいったん休眠してしまった会員を掘り起こすことと比較すれば、はるかに効率が良い。その中でまず求められるべきは、継続的なコミュニケーションにより、会員の帰属意識を常に刺激し続けることにあると言えよう。
生活者にとって“会員”の持つ重みが薄れる中で
会員制サービス業を展開する企業にとって、会員は貴重な資産。多くの企業がさまざまなインセンティブを用意して会員獲得にしのぎを削ってきた。より多くの会員を獲得することはビジネスの可能性を拡大することであり、実際に大規模な会員獲得によりビジネスを軌道に乗せた企業も少なくない。しかし、一定規模の会員数を獲得した後、さらに会員数を伸ばし続けようとすると、1会員の獲得に要するマーケティング・コストは増大の一途をたどる。そのサービスのマーケット規模には自ずと限界があることに加えて、より高コストな会員獲得手法に頼らざるを得なくなるからだ。今後、人口減少が進み、マーケット・サイズが縮小することが確実視される中では、会員1人当たりの獲得コストが増加するタイミングが早期化することも予想されよう。
一方、昨今では、生活者にとって“会員”の持つ重みが薄れつつあるように感じられる。会員制サービス業以外にもポイントプログラムが広く普及し、また、インターネットの普及によってメルマガ会員など無料の会員制度が増加したことなどにより、生活者にとって会員登録のハードルは大きく下がっているのだ。このことは、会員1人当たりの獲得コストを低下させてもいるが、裏を返せば「一応、会員になっておくか」といった軽い感覚で登録した会員が増えることにもつながっている。そして、このような会員は当然のことながら帰属意識が低く、登録当初は利用したとしても、メリットを感じなければ、すぐに利用を止めて休眠会員化してしまう。せっかく会員を獲得しても、利用が継続しなければ利益につながらないのは自明の理。多くの企業が稼働率向上に取り組んでいるが、そこには確立された成功法則はなく、試行錯誤を繰り返している企業が多いのが現状であろう。
今回の特集では、会員活性化に注力する企業のケーススタディを中心に、会員を“眠らせない”マーケティング施策のあり方を探った。
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