2011年10月3日9:16
社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)が主催する「第13回 自動認識総合展(AUTO ID EXPO 2011)」が、2011年8月31日から9月2日まで、東京ビックサイト 東1ホールで開催された。会場ではICタグ、ICカード、NFCなどの各種製品・ソリューションが展示された。
デンソーウェーブでは、非接触ICカード対応定置式端末「RX10」を展示。同シリーズは、FeliCa・MIFARE・TypeA/Bといった規格による非接触ICカード電子マネーに対応。Edy、iD、WAONの電子マネーに対応する予定だ。また、ポイントやクーポン、チケット認証などのアプリケーションも搭載できる。同端末は、NTTデータのカード決済総合ASPサービス「PastelPort(パステルポート)」と通信し、日本NCR製のPOSシステムと接続を行い、11月から大手家電量販店で運用が開始される予定だ。また、Jリーグの清水エスパルスやイオンのネットスーパーで利用されている「BHT-504BIN-N」を展示した。
大日本印刷(DNP)は、ICタグ関連製品を中心に展示を行ったが、ポケットに入れたままの状態でも通信環境を良好に保つことができるカード型のUHF帯ICタグカードを初出展した。通信距離を3m程度まで確保できるのが特徴となっており、オフィスや工場への入退場時などでの利用を想定している。価格はロット5,000枚で、1枚あたり500円(税抜)。また、電子機器に組み込むことで、NFC対応のスマートフォンやリーダライタとのデータ転送が可能となる「NFC Plug」などのモジュールの紹介も行った。
サトーはAndroid搭載スマートフォンからラベルプリンタへの印字機能を実現した「SATO Mobile Print for Android」を参考出展。ソニーの「FeliCa Lite」を利用した社員証の発行やNFCリーダでの読み取りのデモを行った。Javaはもちろん、FlashやWebで開発したアプリケーションからも利用が可能である。
UPMのブースではNFC関連製品が多数紹介されていた。クレスコIDの「NFC Touch to Start KIT」は、EXCELベースで簡単にNFCアプリケーションが作成できる。NFCタグを貼付した鉄道のおもちゃをリーダにタッチするとコンテンツを閲覧できるデモを実施した。
また、ブラザー工業は、従来ICタグ用途に販売していた小型プリンタ「RL-700」により、来場者にTwitterアカウントタグを即時発行した。同プリンタは30枚まで発行でき、NFCリーダを搭載のスマートフォンでタグを読み取ることでTwitterのURLに転送できる。
凸版印刷では、キーホルダー型やリストバンド型など、さまざまな形状に加工可能なNFC対応ICタグを展示した。また、バッテリーレスのセグメント型ディスプレイカードを参考出展。2012年度の商用化を想定しており、マネーカード、アミューズメント、会員カードなどの利用を想定している。
グループのトッパンフォームズではNFC関連ソリューションを紹介。「アルコール検知システム」は、NFCリーダによる運転免許証の認証を行い、アルコール検知器に息を吹き込み、記録簿確認を行う。免許の携帯や酒気を帯びていないことがわかるため、2011年5月1日からのアルコール検知器法的義務化に対応している。価格も50ユーザーで7,000円のため、同社の予想以上に顧客からの引き合いが寄せられているそうだ。
NXPではパソコン向け「PN533」、携帯電話向け「PN544」などのNFCチップを紹介。また、新たなソリューションとしてゲームカードなどを重ねた状態で一括読み取りできるRFID ICチップ「I・CODE ILT」のデモを行った。ISO18000-3M3に準拠しており、50枚程度の重ね読みが可能となっている。
三栄電機では、スマートフォンがクレジットカードリーダになる「ScanJacket」を展示。同ジャケットをスマートフォンに装着することで決済端末として利用することが可能だ。すでにリンク・プロセシングやゼウスが、新たなPOS/決済ソリューションとしてとして加盟店に提案を行っている。また、モバイルプリンタを利用した磁気/ICクレジットカードの読み取りデモも実施した。