2012年6月18日13:30
STマイクロエレクトロニクス(ST)と、電力メータおよびソリューションのサプライヤである中国のWasion Group(Wasion)は、重慶市の送電網向けに近距離無線通信規格の「NFC」を搭載した後払い型電力メータが供給可能になったと発表した。NFCテクノロジを採用したWasionの新しい電力メータは、データの安全性を維持したまま携帯電話を通して電気料金を支払うことができるという。
STのNFCシステム・イン・パッケージ(SiP)ソリューションは、世界中のNFC携帯電話に対応するため、13.56MHzで動作する国際規格に準拠したRFインタフェースを使用している。Wasionの後払い型NFC電力メータにより、消費者はNFC携帯電話の非接触RFインタフェースを通してスマート・メータを読み取り、暗号化されたデータを2G/3Gモバイル・ネットワークを介して金融機関に送信後、電気料金の支払いを完了することができるという。
同SiPには、STのNFC非接触インタフェース「ST21NFCA」とセキュア・エレメント「ST33F1M」が含まれている。ST33F1Mは、Global PlatformのGP2.2/Java3.0.1に基づくGemaltoのオペレーティング・システムを組み込んでいる。また、Java OSおよびJavaアプレットが、データを計測・保存するアプリケーションにセキュアな環境を提供するという。
同SiPは、32bitマイクロコントローラSTM32およびEEPROMとともにWasionの電力メータに採用されている。
なお、NFC搭載電力メータの試作品は2012年1月から提供されており、量産は2012年6月を予定している。