2014年5月16日20:02
野村総合研究所(NRI)は、家電量販店やクレジットカード、携帯電話など、国内11業界における主要企業が、2012年度に発行したポイント・マイレージを現金換算した年間最少発行額を推計するとともに、2018年度までの国内におけるポイント・マイレージの最少発行額の予測を行った。
その結果、売上上位でポイントプログラムサービスを提供している国内11業界の主要企業における、2012年度のポイント・マイレージ発行額は、最少でも8,684億円であると推計した。前年度の9,772億円よりも大幅(約11%)に減少した理由は、発行規模の大きな業界における売上減少やポイント還元率の低減があげられるという。2013年度以降は、各社がポイントを付与する会員数やポイント適用率が高まっていくため、その規模はゆるやかに回復し、2018年度には9,930億円になることが予測されるそうだ。
業界別で最少発行額の推移をみると、「家電量販店」「携帯電話」「ガソリン」「総合スーパー」での減少が大きく、これらが全体的な発行規模を押し下げる要因となっている。その背景としては業界各社の売上減少やポイント還元率の低減などがあげられるという。一方で、「クレジットカード」や「コンビニエンスストア」「インターネット通販」では、最少発行額が増加しており、その背景に、各社の売上や取扱高の増加があげられるそうだ。
国内11業界の主要企業における、ポイント・マイレージ発行の対象となる決済額は合計で年間74.3兆円(クレジットカード含む)と推計。さらに、会員組織を利用してサービスを提供する会員制サービス市場全体を考えると、ポイント・マイレージを発行する11業界以外に、非接触電子マネー2.5兆円、プリペイドカード0.9兆円、デビット0.5兆円、資金移動業0.2兆円が年間で決済されている。これらを加えると、会員制サービス関連の決済額の合計は、78.4兆円になるという。同金額は、日本の最終消費支出234.4兆円(2012年度、内閣府統計、帰属家賃除く)の約3分の1に相当するそうだ。
なお、同調査については、ポイント市場の専門家として国内を代表する野村総合研究所 コンサルティング事業本部 ICT・メディア産業コンサルティング部 上級コンサルタント 安岡寛道氏、同上級コンサルタント 冨田勝己氏を中心に実施している。